トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2017年1月 第193号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

介護現場へ外国人実習生 人手不足解消進むか − 施設側期待も質の低下懸念 日本人処遇が課題に(2016/12/5 上毛新聞)

介護現場への外国人参入の拡大につながる技能実習適正化法と改正入管難民法が11月、参院で可決、成立した。来年には外国人技能実習制度で介護分野への実習生受け入れが可能になるほか、入管難民法の在留資格に「介護」が追加される。介護業界で働く外国人の大幅増加が見込まれ、深刻な人手不足に悩む群馬県内の介護事業者は受け入れ拡大を歓迎する。

一方、「安価な労働力」として実習生が安易に活用されれば、介護の質の低下や日本人の処遇低下につながりかねないとの懸念も根強く、制度の円滑な運用には課題も残されている。「仕事は大変だけど、利用者さんはかわいい。稼ぎもいいし、後輩にも勧めたい」。インドネシア人女性のアブディナ・リズキさん(24)は笑顔で話す。現地の大学で看護の資格を取り、経済連携協定(EPA)に基づいて同国から来日。昨年12月から前橋市日輪寺町の介護老人保健施設「創春館」で働いている。

■貴重な戦力

施設では利用者の入浴や食事の補助、爪切りなど日本人とほぼ同じ業務に当たり、待遇も変わらない。日本語での介護記録の作成はまだできないが、貴重な戦力となっている。創春館ではEPAで受け入れた2人を始め、外国人が計4人働く。名倉隆夫施設長は「介護はハート。東南アジアの人たちはお年寄りを大切にする文化があり、施設利用者からの評判もいい」と語る。県の調査では、外国人を雇用する県内施設の7割は施設利用者の多くが外国人職員を好意的に受け止めていると回答。今後雇用してみたいと答えた施設も7割に上った。技能実習や在留資格への「介護」の追加などの措置は来年11月までに本格運用される。介護分野での実習が可能になるだけでなく、外国人が介護福祉士の資格を取れば日本での在留資格も取得できるようになる。人手不足に悩む施設側の期待は大きい。

■職員の負担増に

県介護人材確保対策室によると、現状でも施設を新設しても職員が集まらず、定員の一部しか受け入れられないところが出ている。将来は一層の深刻化が見込まれ、推計では介護人材は2025年度には県内で1万1600人不足し、全国でも約38万人が不足する。 

一方、現場で働く介護職員の間に複雑な思いがあるのも実情だ。県介護福祉士会の小池昭雅会長は「人手不足を考えれば外国人が現場に入るのはやむを得ないが、(賃金の低い外国人が大量に働く状況となれば)日本人の賃金も抑制されかねない」と本音を吐露。また、人手の足りない現場で、日本語がつたない外国人を指導することは職員の負担増につながる可能性があり、十分な人員の配置など体制の充実が大きな課題になるとも指摘する。東京福祉大社会福祉学部(伊勢崎市)の岡田稔教授は「受け入れ側がしっかりした体制で迎えないと、介護の質が下がるなど問題が発生する可能性がある」と指摘。「さまざまな文化的背景や目的を持つ外国人をどう活用していくのか、施設の手腕も問われることになる」と語った。(後略)

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外国人介護職員 県内65施設で98人 県が初の調査(2016/12/19 東京新聞【群馬】)

介護の現場で深刻化する人手不足を補う方策として、注目を集めている外国人職員が、県内の65施設で、計98人勤務していることが、県が実施した初めての調査で分かった。まだ雇用していない施設も今後は外国人に期待する声が多い半面、既に雇用している施設からは言葉の問題を指摘する意見も多い。

調査は8月中旬〜9月初め、県内の3048施設(事業所を含む)に市町村の協力も得てメールで調査票を送信し、669施設(22%)から有効回答を得た。

調査結果によると、外国人職員の国籍別では、最多がフィリピンの56人で、中国の12人、インドネシア、ブラジル、ペルーの各5人と続いた。フィリピンとインドネシアは、日本との経済連携協定(EPA)に基づいて受け入れているため、多くなったとみられる。

施設の職員や利用者からは、外国人職員について好意的な受け止めが7割以上を占めた。具体的には、「まじめ、明るい」「高齢者を敬う傾向がある」との見方が目立ち、「異文化交流につながる」などの意見もあった。

今後の雇用予定を聞くと、70%が「現時点で雇用の予定はないが、機会があれば雇用してみたい」と前向きだった。

ただ、外国人を雇用している施設に複数回答で課題を聞くと、最多の68%が「日本語文章力・読解力の不足などにより、介護記録の作成に支障がある」と指摘。次ぐ32%が「日本人の職員や利用者らと会話・意思疎通に支障がある」と答え、「課題はほとんどない」は22%にとどまった。

介護現場の外国人職員を巡っては、先月に受け入れを大幅に拡大する改正出入国管理及び難民認定法など関連する2法が成立した。

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壁は「介護の日本語」 続く試行錯誤(2016/12/6 朝日新聞)

人手不足の介護現場では、外国人の人材が増えています。技能実習制度の対象に介護も加わることになり、活躍の機会はさらに広がりそうです。壁は「介護の日本語」。この教え方をめぐる試行錯誤も続いています。

■来日10年でも苦戦

「口紅の『くち』という字には火口の『こう』、口調の『く』という読み方もあります」東京都墨田区の集会所で11月中旬、8人のフィリピン人女性が集まり、ボランティアに教わりながら読み書きなどの練習をしていた。区内の介護施設で働く在留外国人などを対象に、週1回開かれている無料の介護の日本語教室だ。

日本語教師と定年退職した地域のボランティアが、介護現場で使われる日本語を教える。介護福祉士の国家試験を目指す上級者向けには、近隣施設の介護職員も加わる。

日常会話に困らない外国人も現場では壁にぶつかる。難解な介護の専門用語と読み書きだ。

生徒の繁富ジーナさん(50)は、日本人と結婚して20年前に来日。10年を過ぎてから施設で働き始めたが、戸惑いの連続だった。

誤嚥(ごえん)、褥瘡(じょくそう)、嚥下(えんげ)……。普段は使わない日本語が飛び交う。勤務に入る時は介護記録を読んで利用者の様子を把握する必要があるが、読み書きはひらがな・カタカナ程度で理解できないことが多い。そのため今でも早めに出勤し、辞書で調べたり日本人職員に読んでもらったりする。

介護の日本語教室には昨年から通い始めた。繁富さんは「もっと読み書きの力をスキルアップして一人前になりたい」と話す。

東京都社会福祉協議会の2009年の調査では、都内の特別養護老人ホームの3分の1に外国人職員(留学生などを除く)がいた。墨田区内の介護施設では人材不足を背景に05年ごろから外国人の雇用が増加。介護の日本語教室は区内の社会福祉法人や早稲田大学大学院日本語教育研究科などが連携して08年から始め、現在は区の委託事業になっている。

教室を運営する日本語教師の中野玲子さんは「介護は人を相手に臨機応変が求められる仕事。継続して日本語を学べる場を身近に増やしていくことが必要だ」と指摘する。

■即戦力育成へ教師ら連携

08年から経済連携協定(EPA)の枠組みで介護福祉士をめざす外国人が来日したことで、施設などから頼まれて日本語教師が教える機会は増えている。教える側も手探りだ。

11月下旬、東京都千代田区で日本語教師や介護職員ら約40人が参加するワークショップが開かれた。現場で使える日本語の教え方や、施設との連携の悩みを共有し、解決策を見いだそうという試みだ。(中略)

■介護現場で働く外国人

永住許可を受けた永住者、日本人の配偶者、日系人などの定住者らには就労制限はなく、介護現場で働く人も多い。東京都社会福祉協議会の2009年の調査では、都内の特別養護老人ホームの3割程度に外国人の職員がいた。経済連携協定(EPA)の枠組みでは、介護福祉士の資格取得を目指している人や合格者も働いている。外国人技能実習制度は先月の法改正に伴い、対象職種に介護を追加する。

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