トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2016年7月 第187号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

日本語漬けの6カ月 286人が事前研修終了 EPA看護師・介護福祉士候補 「日本で働けるチャンス」 (2016/5/26 じゃかるた新聞)

日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れ事業で、日本での研修前に日本語予備教育を実施する日本語予備教育事業の第9期閉講式が25日、南ジャカルタ・スレンセンサワの教育文化省語学教育研修センターで開かれた。6カ月間の研修を終えた286人の候補者(看護師50人、介護福祉士236人)は、さらに日本で6カ月間の日本語研修を受け、12月から日本全国の医療機関や福祉施設に就労し、国家試験合格を目指す。

国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの塚本倫久所長が、各クラスの代表者に修了証を手渡した。看護師候補者で生徒会会長のヌルファンディさん(25)は、代表あいさつで研修を振り返り、涙ぐみ言葉に詰まった。「私たちの研修は終わりましたが、きょうが最後ではなく、最初です。国家試験に合格するために、一緒に日本でもっと頑張りましょう」と候補者に言葉を贈った。式では感極まって、手で目頭を押さえたり、涙をぬぐったりする候補者の姿があった。

同研修では日本人24人、インドネシア人26人の計50人の教員が16クラスに分かれて指導。クラス分けテストを実施し、日本語能力がほぼ同じ候補者同士で学ぶ。看護師候補者と違い、介護福祉士の候補者は就労経験がなくても応募できることもあり、うち20〜30%が大学卒業後などに事前に日本語を学んでから参加しているという。

授業は午前8時半〜午後4時ごろまでで、宿題をこなすために寮に戻ってからも勉強。日本語漬けの毎日で、候補者にとっては食事以外はほぼ勉強にあてるという厳しいスケジュールだ。

同研修の教務主任を務める青沼国夫講師によると、「日本に行けばインドネシア語をわかる人はいない」と候補者に伝え、常に日本語で物事を考える癖をつけてもらえるよう、インドネシア語をできるだけ使用せずに授業をしてきた。毎週土曜は日本文化や習慣、マナー、交通事情などを学ぶ。また足を組まない、頬づえをつかない、携帯電話を使わないなどの授業態度についても指導してきた。

青沼さんは「日本の受け入れ先の病院によって、対応はさまざま。国家試験に合格するには、自ら学習する習慣をつけ勉強する環境を整えることが大切。だからこそ、『自律学習』を掲げています」と話す。

一方、インドネシア人の候補者は優しくて人当たりが良いだけでなく、パフォーマンスが上手だという。「謝恩会に招かれて驚いたのは、踊りや歌がまるでプロのようで、センスもとても良い。介護施設などで生かすことができる素晴らしい才能。また、優しさで患者さんや高齢者を癒やすことができると思う。私もインドネシアの方から介護を受けたいと思います」と期待を込めた。

一方、候補者らは言葉の壁のほかに、日イで大きく異なる、宗教や気候、食べ物など生活に関わる心配事を抱えているという。第8期候補者などすでに渡日した先輩と連絡を取り、日本の情報を得ている候補者も多い。(後略)

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フィリピン、ベトナム出身の高知県内研修生が介護士、看護師に (2016/5/20 高知新聞)

高知県内で働くフィリピン、ベトナム出身の介護・医療の従事者7人(介護福祉士5、看護師2)が2016年春、国家試験に合格した。いずれも経済連携協定(EPA)に基づき来日、南国中央病院(南国市)などを営む地塩会グループで働きながら学んでいた20〜30代。EPA研修生7人の合格は県内最多。地塩会グループの山本康世理事(36)は「彼らが学びやすい環境を整え、合格してもらうのが私たちの使命」と“合格ラッシュ”を喜ぶ。

現在、EPAで研修・勤務している高知県内の外国人はフィリピン、ベトナム出身の24人。うち20人を地塩会グループ(医療法人地塩会、香美会、社会福祉法人ふるさと自然村)が受け入れている。

「日本はきれいで人も親切。そんな日本で働きながら資格も取れるEPAは一石二鳥でありがたい」とフィリピンから来日し2年目で看護師に合格したエスピノザ・ドヴィさん(28)。「日本語の漢字は難しかったが、丁寧な指導のおかげで合格できた。本当にうれしい」と喜ぶ。

7年前からEPAで延べ32人を受け入れている地塩会グループは、週4回の午前の勤務時間を勉強に充て、専門講師による日本語や国家試験用の講座を実施。公休日の土曜にも自主勉強会があり、先輩の介護福祉士らも講義や実技指導にあたる。

「一緒に日本に来て県外の施設で働いている友人は、『仕事ばかりで勉強時間がない』と困っています」と香南市の老健施設「あいの里」で勤務しながら介護福祉士の試験に合格したフィリピン出身のフロレス・ロマール・ゴルボさん。

「私たちの施設は、勉強の時間をしっかりとってくれる」と感謝の思いを語る。(中略)

「私たちは愛情を持って一生懸命育てるだけ。その中で良さを感じて残ってくれたら、うれしい」と山本理事。「医療・介護の人材確保は切実ですが、彼らが将来高齢化が進むであろう母国に戻り、日本で学んだ知識や技術を生かしてくれてもいい。世界でいち早く超高齢化を迎えた日本の、高知の医療・福祉事業者としての使命なのかもしれません」と話している。

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<適少社会>外国人に活路 制度が壁 (2016/6/5 河北新報)

東日本大震災の被災地では人口減と高齢化が重なり、介護現場の人材不足が深刻化する。厚生労働省の推計によると、2025年には岩手、宮城、福島の3県で計2万5000人が不足する。外国人や海外出身者の労働力に活路を求め、現場の試行錯誤が続く。

「外国人の人材も都市へ流出する。日本人と変わらない」。宮城県名取市で高齢者福祉施設などを運営する社会福祉法人「宮城福祉会」の菊地みゆき法人財務部長がため息交じりに語る。

政府が08年、経済連携協定(EPA)に基づき介護福祉士の門戸を外国人に広げた時、宮城福祉会はすぐに受け入れを始めた。これまでにインドネシア人の男女8人を採用し、13年に合格者第1号が生まれた。しかし資格を取得した途端、報酬の高い横浜市の社会福祉法人に転職した。

「これからは外国人の力が必要になる」。宮城福祉会は約3000万円を投資し外国人専用の寮を建設した。震災直後で人手不足の時も毎日2時間、職員が座学の指導に当たり、法人挙げてサポートした。試験に失敗するなどして5人が帰国する中、ようやく誕生した合格者だった。

国会では介護資格を取得すれば全ての国の人に在留を認める改正入管難民法案の審議が進む。菊地部長は「制度を改正するのは良いが、地方にも外国人介護士が来るだろうか」と効果に懐疑的だ。

気仙沼市では、日本人に嫁いだフィリピン出身者らが貴重な介護の戦力になるかに思われた。震災直後、東京のNPO法人が開いた6カ月間の外国人向け講習を受け、約30人がホームヘルパー2級の資格を取得した。だが、13年の制度改正で資格取得には日本語の筆記試験が課されるようになり、後続は途絶えた。

気仙沼市の社会福祉法人「キングス・ガーデン宮城」に勤務するフィリピン出身の女性4人は、震災直後の講習で資格を取得した。気仙沼に20年近く住み、PTAや地区の婦人会にも加わる。方言も使いこなす。

利用する高齢者に外国人への抵抗はほとんどない。明るい性格が人気を集める。ショートステイを利用する気仙沼市の佐藤アヤ子さん(92)は「日本人よりも優しい。孫みたいな存在です」と絶賛する。

被災地の外国出身者の多くは日本語の読み書きが不得手で、仕事は水産加工場などの単純労働に限られてしまう。キングス・ガーデンで働く気仙沼市の軍司マリベルさん(37)は「介護の仕事をしたいフィリピンの人はもっといるはずだ」と推測する。

制度や資格の改正を繰り返す霞が関に翻弄(ほんろう)される被災地の現場。キングス・ガーデンの佐藤由美子事務長は「試験も重要だが身近な人材を生かすことに目を向けるべきだ」と指摘する。

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