トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2015年10月 第178号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

外国人介護スタッフ、定着の兆し? 責任ある仕事も アジアで争奪戦、処遇改善が課題 (2015/9/7 日本経済新聞)

特別養護老人ホーム、みちのく荘(青森県むつ市)に8月6日、20代のベトナム人男女4人がやってきた。経済連携協定(EPA)の枠組みで来日した介護福祉士候補だ。最年少の男性、ファム・フィー・ハーイさん(23)は「3年後に介護福祉士の国家試験に合格するため、がんばる」と意気込む。

2008年から受け入れて、外国人は現在7人が働く。12月にはインドネシア人がもう1人加わる。運営元の社会福祉法人、青森社会福祉振興団(同)の中山辰巳専務理事は「人手不足が深刻化する中で、外国人スタッフなしに介護現場は成り立たなくなる」と話す。

介護現場で働く外国人をめぐっては、不十分な日本語能力などが指摘されてきた。だが中山専務理事は「日本語が完璧でなくても、利用者と信頼関係を築けた外国人に任せられる業務はたくさんある」と強調する。みちのく荘では緊急時の対応、夜勤、服薬、利用者の家族との連絡は日本語能力が不十分な職員に任せないなど明確に線引きし、現場の業務を進めているという。すでに7人が介護福祉士の国家試験を受け、全員合格した。

「どうやって日本の介護福祉士の国家試験に合格できたの?」「日本の物価は高い?」。母国フィリピンで開かれた海外職場の合同説明会で、現地の志願者らからの質問に答えるのは、みなみの苑(横浜市)の男性介護福祉士、リアネス・ポールデビッドさん(27)だ。

現地の大学を卒業して看護師の資格を取り、EPAに基づき09年に来日した。みなみの苑で介護の知 識と技術を身につける傍ら日本語を勉強し、13年に介護福祉士の国家試験に1回で合格したエリートだ。日本語能力は上から2番目の上級レベルになり、昨年からは施設長らと母国を訪れ、職場で受け入れる人材選びを手伝う。「責任ある仕事を任され、前よりもやりがいを感じるようになった」という。

日本は08年にEPAの枠組みで外国人の介護福祉士候補を受け入れ始めた。施設で4年間働きながら介護福祉士の国家試験に合格すれば、滞在期間に制限なく働き続けられる。インドネシアやフィリピンに続き、14年からはベトナムとも始まり、2千人超を介護現場で受け入れている。

こうしたEPAではなく、留学生として来日し、卒業後に介護業界に入る外国人も現れている。留学先の昭和女子大学を卒業し、セコムグループのセコム医療システム(東京・渋谷)に12年に入社した中国人女性社員、張杭さん(33)はその一人だ。

「はい、体温と血圧を測りましょうね」。セコムシニア倶楽部鎌倉(神奈川県鎌倉市)のデイサービスを訪れた高齢者を笑顔で迎え、体温と血圧を手際よく測っていく。利用者からは「張さんはいつも笑顔で熱心」(80代の男性)、「一緒にいると私も元気になる」(80代の女性)と現場にすっかりなじんだ様子だ。

東京や千葉などに18カ所ある業務提携先の病院では、40人に上る看護分野の外国人をEPAの枠組みで受け入れている。「資質のある人材なら、看護だけでなく介護分野でも外国人社員に力を発揮してもらいたい」(武石嘉子取締役)と張さんら2人の中国人を採用し、介護現場で経験を積む。給料は「国籍に関係なく同じ賃金体系で払っている」という。

ただ、介護業界に就職する外国人留学生が出てきたといっても、深刻な現場の人手不足の解消策にはなっていない。EPAによる外国人の受け入れはあくまで人材交流で、介護現場の人手不足を補う制度ではない。厚生労働省は団塊の世代のすべてが75歳に達する25年には、30万人超の介護スタッフが不足すると推計する。

政府は日本で働きながら技能を学ぶ「外国人技能実習制度」の対象に介護を追加する策を検討している。だが現場の期待が大きい半面、「人手不足を解消するにはまず介護福祉士の資格取得者が働きたいと思える処遇に改善することが先決」(日本介護クラフトユニオンの村上久美子副事務局長)との指摘は根強くある。

アジア全域に目を向ければ、韓国や台湾では日本を超える速さで高齢化が進む。20年には中国で日本の総人口を上回る約1億4千万人が高齢者になるとの推計もある。アジアの介護事情に詳しい介護事業操練所(神奈川県鎌倉市)の三上博至理事長は「すでにアジアで優秀な介護人材の争奪戦が始まっている。外国人に働きたいと思ってもらえる環境を整えなければ、日本に優秀な人材が来てくれなくなる」と話している。(編集委員 阿部奈美)

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法務省、外国人受け入れ拡大を検討 労働者不足に危機感 (2015/9/15 東京新聞)

法務省は十五日、外国人の入国や在留に関する今後五年間の施策の指針となる「出入国管理基本計画」をまとめた。専門的な知識や技術を持った外国人の受け入れを現在の基準にこだわらず「幅広い視点で検討する」と明記。当面は既に在留資格への追加を決めた介護分野で促進し、今後も拡大を検討する。

単純労働者も含めた外国人全般についても「本格的に検討すべき時が来ている」と指摘。少子化や2020年の東京五輪による労働者不足への危機感が背景にあり、10年に策定された前回計画よりも踏み込んだ表現になった。難民認定での保護対象拡大やテロ対策の強化も盛り込んだ。

計画は専門的な人材の受け入れについて「新たに必要になったときは適切に対応する」と記載。現行の在留資格や上陸許可基準に該当しないケースも「幅広い視点で検討する」とした。

難民認定の運用では、アフリカの一部地域で女性であることを理由に身体的な虐待を受けている事例などを想定。保護対象に「新しい形態の迫害」という枠組みを加えるが、実際に受け入れ拡大につながるかは未知数だ。

一方、真に保護すべき対象を明確に区別するため、借金から逃れてきたなど明らかに「迫害」に該当しない理由で申請を繰り返す場合は本格調査の前に振り分け、認定される可能性がある人の審査を優先させる。

07年に導入された指紋と顔写真による上陸審査で入国を防いだ外国人は昨年末までに約五千二百人で、テロ対策に「相当の効果があった」と評価。今後は一層厳格に審査し、新たな技術の導入も検討する。

出入国管理基本計画は1992年に初めて策定され、今回で5回目。

<在留資格>入管難民法は外国人が日本に入国・滞在してできる活動を類型化し、外交や芸術、留学など27種類を定めている。医療や教育など専門的・技術的分野での就労目的であれば最長5年の在留が認められ、特段の事情がなければ更新できる。高齢化が進み、質の高い介護が必要とされていることから、在留資格に介護分野を加えた入管難民法改正案が今国会に提出されている。

○ 出入国管理基本計画のポイント

・専門的な知識や技術を持った外国人の受け入れを促進

・単純労働者も含めた外国人全般の受け入れも本格検討

・保護対象に新しい形態を追加し、難民審査を効率化

・指紋と顔写真を活用したテロ対策の一層強化

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フィリピンから今年も介護福祉士・看護師候補生が来日 (2015/9/22 Global News Asia)

2015年9月21日、今年もフィリピンから、介護福祉士候補生300人、看護師候補生100人の合計400人が来日し、それぞれ、12月までの6カ月間、横浜と大阪の2カ所に別れて日本語の研修を受けている。

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