トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2014年5月 第161号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

介護の質確保に不安 外国人技能実習制度検討 日本の壁技術不足課題(2014/4/24 読売新聞)

介護分野の深刻な人手不足を補うため、政府は、外国人が日本で働きながら技術を身に着ける技能実習制度の活用を検討している。6月にまとめる成長戦略に盛り込む予定だが、言葉の壁や技術不足などの課題を解消しなければ、介護の質を保てなくなる恐れがある。

100万人足りず

「新しい施設ができても職員が確保できず、定員を減らして開所するケースが目立つ。」今月21日、法務省で開かれた外国人労働者受け入れに関する会議で、全国老人福祉施設協議会の熊谷和正副会長が人出不足の実情を訴えた。

高齢化が急速に進む日本は、介護の担い手を大幅に増やす必要に迫られている。厚生労働省は、団塊世代が75歳以上になる2025年度には、現在より約100万人多い249万人の介護人材が必要になると試算する。

ところが、日本人の介護分野への就職は進まない。13年の有効求人倍率は、全産業の0.93倍に対し、介護分野は1.82倍。低賃金が主な原因で、全産業の月額平均賃金が約33万円なのに対し、福祉施設の介護職員は約22万円にとどまる。離職率も17%と、全産業の14.8%に比べて高い。

厚労省も介護報酬の引き上げなどで待遇改善を進めているが、成果は出ていない。「人口減少で労働者も減る中、外国人の力を借りなければ、現場は持たない。」青森県むつ市の特別養護老人ホーム「みちのく荘」の中山辰巳園長は言う。

08年度から経済連携協定(EPA)に基づく外国人の介護福祉士候補者の受け入れが始まったが、これまでに来日した候補者1128人、今も日本で介護の仕事を続けているのは約800人にとどまり、人材不足を補うには遠く及ばない。

技能実習制度

日本の高い職業技能を途上国の人たちに伝える目的で1993年に始まった。対象は農業、漁業、建設、機械加工などの68種類で、現在、中国、ベトナム、インドネシアなどから15万人来日している。最長3年間、企業などで働きながら技能習得を目指す。政府は今月、安倍首相の指示を受け、介護を制度の対象に含める検討を始めた。

学歴・資格 問われず

外国人を増やすため、EPAよりも容易に人材を確保する方法として浮上したのが、外国人技能実習制度の活用だ。

EPAで来日する介護福祉士候補者は、出身国の看護師や介護士資格を持つ“エリート”。来日前後に計1年の日本語研修を受け、介護施設で働きながら勉強し、介護福祉士の国家資格を取って日本で働き続ける。「EPAの候補者は日本語能力が高い。異国で頑張る姿に日本人職員も刺激を受けている」。千葉県の三つの介護施設でフィリピンとインドネシアから11人の候補者を受け入れた社会福祉法人「さつき会」の剣持敬太理事は評価する。

だが、高い資質を持つ候補者でさえ、日本語の壁は高い。09年に来日し、2度目の挑戦で今年3月、介護福祉士試験に合格した同会のフィリピン人看護師アコスタ・ビアグさん(43)は「入所者や同僚の話す言葉が教科書の日本語と違い、最初はコミュニケーションが取れなかった」と言う。

現在の技能実習制度のままで外国人を受け入れることになれば、介護の仕事に携わった経験さえあれば、学歴や特別な資格がなくても、日本で介護の仕事ができることになる。日本語の研修も来日直後の講習(原則2か月)の一部で行われるだけで、EPAの候補者より日本語が劣ることは明らかだ。

介護業界では近年、急増する認知症高齢者の介護や終末期ケアなど、高い技術を持った人材が求められている。全国社会福祉法人経営者協議会の平田直之・高齢者福祉事業経営委員長は、「認知症高齢者のケアは、コミュニケーションや観察を繰り返して精神状態を把握するなど、きめ細かい対応が求められる。一定の日本語能力と介護技術が不可欠だ」と強調する。

「使い捨て」の危険

言葉の壁と技術不足をどう補うのか。全国老人福祉施設協議会は、介護の技能実習が始まる前に日本語の能力試験を実施し、実習2年目に入る前に介護技術の確認試験を課して、必要な能力を身に着けた人に絞り込むよう提言している。

技能実習制度では過去に、受け入れ先企業が実習生を最低賃金以下で働かせたり、長時間労働を強いたりといった不正が横行した。

ある介護施設の施設長は「日本語ができない実習生はシーツ交換や配膳、掃除などの裏方の仕事を任せればいい」と本音を明かすが、それでは「高度な日本の介護技術を途上国へ移転する」という制度の目的に反し、外国人を「使い捨て」にすることになる。小川玲子・九州大准教授(移民政策論)は「外国人を保護するとともに、利用者が安心して介護を受けられるように、日本語や介護技術の教育、キャリアアップの仕組みを整えるべきだ」と指摘する。

日本介護福祉会は今月、「安い労働力の参入で介護職員の賃金が低下すれば、日本人の介護人材不足が深刻化する恐れもある」として技能実習制度の介護分野への拡大に反対を表明した。こうした懸念を払拭するためにも、実習生の待遇を守らなければならない。

日本は、医師や看護師、薬剤師など、専門的な知識や技術が必要な職種には在留資格を設けて積極的に外国人を受け入れているが、介護職の在留資格はない。EPA以外では、技能実習生を経て介護福祉士の資格を取ったとしても、現在では原則として日本に残れない。海外から優秀な人材を確保するためには、介護福祉士の在留を認める必要もあるだろう。

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外国人活用、遅れる日本 介護など期待強く(2014/4/5 日本経済新聞)

現在、日本で働く外国人労働者は68万人。労働力人口全体に占める割合はわずか1%と、主要国で最も低い。政府は今回、外国人の受け入れ拡大に一歩踏み出すが、まずは建設、介護など国民の理解が得られやすい分野から始める。

慢性的な人手不足に悩む介護分野。政府は団塊の世代が75歳以上となる2025年には介護職員数を現状から約100万人増やす必要があると推計する。だが「給与が上がりにくく仕事もきつい」(九州の有料老人ホーム経営者)ため、人材がなかなか定着しない。

経済連携協定(EPA)に基づき、2008年に導入した外国人介護福祉士制度もうまく機能していない。インドネシア人とフィリピン人候補者の国家試験の合格率は4割程度。日本人も含めた全体の合格率(6割強)と開きがある。日本語による試験が壁だ。

家事分野でも今後、働く女性がますます増え、共働き世帯による「代行のニーズが高まり人材不足感が強まる」と家事手伝いサービス、ベアーズの高橋ゆき専務は話す。

建設業では人手不足で公共工事の担い手が現れない「入札不調」が頻発。2月の建設分野の有効求人倍率は2.94倍にのぼった。

一方、外国人が日本で働く魅力を感じる環境づくりも課題だ。

外国人技能実習制度では、劣悪な環境で長時間労働を強いる事業者も散見される。同日の会議で岸田文雄外相が「国際的批判に耐えうる制度の適正化が必要」と訴えた。民間議員からは、法律に基づいて事業者への厳しい立ち入り検査ができる仕組みが必要との指摘があった。

移民政策を巡っては「社会的なあつれきも懸念される」(明治大学の飯田泰之准教授)と慎重な声が根強い。だが「人口減の中で、外国人を積極活用しなければならない現実がある」(法政大学の小峰隆夫教授)のも確かだ。

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高知 EPA外国人看護師、県内初の合格者(2014/4/24 朝日新聞)

経済連携協定(EPA)に基づいて県内の病院に勤務しながら日本の看護師資格の取得を目指してきたフィリピン人女性1人が、今年の国家試験に合格した。県内の外国人看護師候補者が国家試験に合格したのは、受け入れ開始から5年目で初めて。関係者はようやく合格者が出たことを喜びつつも、外国人候補者の合格率が10%程度にとどまっている現行制度の改善を求めている。

合格したのは、南国中央病院(南国市後免町3丁目)で看護助手として勤務してきたフィリピン人のラバルダ・マリア・ジェネヴィーブさん(30)。2011年に日本とフィリピンのEPAに基づいて来日し、「最大3年間」の在留期間中のラストチャンスだった今年2月、3回目の受験で見事合格。今月9日、県庁を訪れ、尾ア正直知事らに県内初の合格を笑顔で報告した。

もともとアニメが好きで来日を決めたというラバルダさんは「高知は食べ物がおいしい。ひろめ市場に行ったことがあるけど、そこのたたきは大好き」と、すっかり県内での生活になじんだ様子。試験に合格したことで、日本に永住可能な在留資格が認められることから、「これからも高知で(看護師として)働きたい」と話した。

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インドネシア研修生3人、福祉士合格(2014/4/15 沖縄タイムス)

南城市大里大城の特別養護老人ホーム「東雲(しののめ)の丘」で働くインドネシアの研修生3人が介護福祉士の国家試験に合格した。日本との経済連携協定(EPA)で来沖した3人は「3年間の頑張りに結果が出て心から安心した。東雲の丘で学んだことを今後も生かしたい」と喜んでいる。県内からの合格者は初めて。

合格したのは女性のヌール・ラエラ・マヤサリさん(27)、シスカ・ノフィタ・サリさん(26)と男性のチャイルディンさん(25)。インドネシアの看護師資格を持つ3人は「いろいろな経験を積みたい」とEPAを利用して来日。2010年12月、東雲の丘に採用された。

お年寄りの入浴や食事、排せつを世話する仕事を通して介護の知識を深めたが、日本語の会話にも苦労する中、利用者にうちなーぐちで話し掛けられ混乱したことも。しかし、持ち前の明るさや頑張りで信頼を築いていった。

試験は今年1月にあり、3月27日にネットで合格を知った。石島衞理事長(69)は「甲子園で優勝したような喜び。本人たちのやる気が一番大きい」と評価する。

サリさんはこのまま、東雲の丘で継続して勤務する予定で「職員のみなさんに恩返しがしたい」と抱負。横浜の医療施設に就職するマヤサリさんは「将来はインドネシアで老人のための施設をつくりたい」と意欲。チャイルディンさんは「ルールを守る日本が好き」と話し、9月の帰国後、進路を考える予定だ。

来沖時、5人だった仲間のうち女性1人は帰国。残る女性(26)は、来年1月に再度受験する。インドネシアから介護福祉士候補者を受け入れている施設は現在、県内では「東雲の丘」のみ。同施設では、14人が就業、研修している。

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日本の看護師試験に合格 富士見高原病院のインドネシア人女性2人(2014/4/1 信濃毎日新聞社)

経済連携協定(EPA)に基づいて来日し、諏訪郡富士見町の県厚生連富士見高原病院で働くインドネシア人女性2人が、日本の看護師国家試験に合格した。それぞれ3回目と2回目の挑戦で壁を突破。31日、病院で記者会見した2人は「日本の医療を学びたい」と意欲を語った。

2人は、来日して3年半のクリスマルティナ・ワヒュ・ウィダルティ(通称ティティン)さん(34)と、来日2年弱のミッキー・ヘレラ(通称ミッキー)さん(26)。

ティティンさんは母国で10年間看護師を務め、夫と長男を残して2010年に来日した。午前は病棟で看護助手として働き、午後は勉強。日本に滞在できる期限内で最後の試験となる3回目で合格を決めた。

ティティンさんは「看護師に必要な医療知識はインドネシアとほぼ同じだが、日本の社会保険制度は覚えるのが難しい。将来は祖国に老人ホームをつくりたい」。2回目の受験で合格したミッキーさんも「自分の力を試したい」と意気込んだ。

今回の国家試験では、EPAで来日した全国の外国人32人が合格。富士見高原病院は外国人看護師候補の育成に積極的で、これまでに10人を受け入れ、合格は3人となった。

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フィリピン人看護師 栗東の病院に(2014/4/2 滋賀 読売新聞)

県内初の外国籍 日本語学び国家試験突破

フィリピン人のシュリット・カトリーヌ・カウィランさん(28)が滋賀県栗東市の済生会滋賀県病院で看護師として働くことになり、1日、辞令交付式が同病院であった。

カトリーヌさんは経済連携協定(EPA)に基づき3年前、フィリピンから来日し、日本語学習を積んだ上で国家試験に挑戦し、合格。県内で最初に誕生した外国籍の看護師として歩み出す。

2011年の来日後、看護助手として同病院に勤務しながら、国家試験に備えた勉強を進めた。昨年、准看護師の試験に合格し、今年は看護師試験を見事、突破した。

カトリーヌさんは内科病棟に配属され、今後、透析の技術などの習得に重点的に取り組んでいくという。これまでも見守ってきた松並睦美・看護部長は「患者さんにこまやかな気遣いができ、いつも笑顔で接している」と評価。カトリーヌさんは「精神的にずっと支えてくれた病院スタッフや患者さんのためにも一生懸命働きたい」と話した

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