トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2011年7月 第127号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

EPA看護師 日本語で試験 低い合格率 (2011/6/7 中日新聞)

単純労働ばかり 母国の経験評価せず 

日本語の勉強に励むインドネシア人看護師候補者ら=岐阜市の岐阜中央病院で 日本との経済連携協定(EPA)に基づいて来日し、看護師を目指して働きながら学ぶインドネシア人とフィリピン人の試験合格率が伸び悩んでいる。国内の看護師不足を解消する“切り札”と期待されながら、2月の試験でも合格者はわずか4%。門戸を開きながら能力を認めず、単純労働しかさせない現状に、関係者から疑問の声が上がっている。

「このまま勉強しても、日本で働いていける自信がない」

EPAの第一陣として2008年に来日し、岐阜中央病院(岐阜市)で働くインドネシア人のルリ・トゥリ・ハンダニヤさん(26)。4月下旬、これ以上受験することをあきらめ、7月に帰国することを決めた。

EPAは、2国間で物や人、資本の移動を自由にする協定。労働力を輸出して外貨を獲得しようとするインドネシア、フィリピンと、看護師が不足する日本の間で利害が合致。それぞれ08年と09年から、受け入れを始めた。

ルリさんは来日から半年間日本語を学んだ後、病院で働きながら試験勉強に励んだ。院内外で週3回、数時間ずつ日本の医療用語や看護知識を学習。「褥創(じょくそう)」や「喉頭蓋(こうとうがい)」など、日本人でも難しい専門用語を、電子辞書を片手に覚えなければならなかった。

彼女たちに認められた在留期間は、当初は3年だけ。その間に日本人と同じ国家試験に合格できなければ、帰国させられる。“最後の年”だった今年2月の試験。3月末に病院に届いたはがきには、「不合格」の文字。同じく受からなかった同僚と涙を流した。

「日本語は難しい。漢字に意味がたくさんあって、読み方もいろいろ。勉強できる時間も少なかった」

合格者が少なかったため、国は08、09年度に来日した候補者に限り、試験の点など一定の条件を満たせば、在留期間を1年延長する方針を示した。ルリさんは悩んだが、「同じ環境でもう1年学んでも、知識が足りない」と帰国を決めた。

「人柄が良く、お年寄りを大事にして、病院の期待に応えていた。日本人と能力に差はないのに」。同病院でルリさんらを世話してきた、人材開発相談部長の長崎功美さん(57)は同情する。

彼女たちは母国で看護師として働いた経験があり、患者の体調チェックや状況判断の能力を持つ。だが、資格がないため、1人ではこうした能力を生かせない。試験で評価されるのは、日本語能力と知識だけ。不合格だった候補者たちは、人間として否定されたように落ち込んでいたという。長崎さんはEPAについて「劣等感を与えるだけの仕組み。何を目指しているのか分からない」と憤る。

ルリさんの同僚のインドネシア人、ノフィ・ムスティカニンルムさん(26)は、在留期間を延長して再受験すると決めた。だが、試験が何点だったら在留できるのか条件が国から示されず、気持ちが落ち着かない。「3年も頑張ったんだから、もう1度挑戦したい。でも、自分は条件となる得点を、クリアしているのだろうか」

国は5月中旬にやっと、条件を決めるために意見募集を始めたところで、結果の通知は7月下旬の予定だ。「帰国させられるのなら、勉強しても意味がない」。ノフィさんは考え始めると不安で、眠れない時期もあった。

長崎さんは「いつまでも中途半端な立場で、彼女たちがかわいそう」と嘆く。「3年も一生懸命働かせて、『受からなかったから帰りなさい』では、あまりの仕打ち。最初から、資格がいらない看護補助者として募ったり、日本人とは別の試験をする方法もあったのではないか」

経済連携協定(EPA)に基づく看護師候補者 インドネシアからは3年間で316人、フィリピンからは2年間で139人を受け入れた。だが、日本語が看護師試験の壁となり、合格者は初年度がゼロで、2年目は計3人。3年目は試験問題の難しい漢字にルビを振ったり、英語を併記するなどしたが、計16人と合格率4%に留まった。日本人の平均合格率は92%。給与は日本人と同等で、インドネシアの7〜8倍に当たる。ほかに介護福祉士の候補者も受け入れ、在留期間は4年間。

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滞在1年延長、68人 看護師候補者のインドネシア人 試験後、既に25人帰国(2011/6/14 朝日新聞)

経済連携協定(EPA)に基づいて3年前に来日したインドネシア人の看護師候補者について、菅政権は今年の看護師国家試験に不合格だった78人のうち68人を対象に、滞在期限を延ばす方針を決めた。ただ、今年の試験後、すでに25人が帰国している。背景には、日本の場当たり的な対応への不信感がある。

2008年8月に第1陣の看護師候補として来日したインドネシア人は104人。そのうち今年は91人が受験し、13人が合格した。

菅内閣は今年3月、不合格者でも3年間の滞在期間について1年間の延長を認める特例を閣議決定した。これを受け、厚生労働省は今月初め、300点満点中102点以上だった不合格者の滞在期間を延長する方針を、候補者を受け入れている医療機関に通知した。

延長を希望する受け入れ機関は、研修計画や候補者本人の署名などの必要書類を厚労省に提出すれば、7月下旬をめどに結果通知を受ける。102点に満たず、8月7日に滞在期限が切れるのは10人になる。

滞在期間の延長は、大量の帰国者が出ることを防ぐ狙いがある。しかし、厚労省の調査では、インドネシアからの第1陣で来日した候補者のうち、今月1日までにすでに36人帰国。そのうち25人は、今年の試験後に日本を去った。

インドネシアからの第1陣のメンバーで、今年の試験に不合格になった後の4月末に帰国した30代の女性は「延長の話を最初に聞いてから時間がたったのに、だれも詳しいことを教えてくれなかった。結局、私たちは必要とされていないと思う」と話していた。

中途帰国者について、厚労省外国人雇用対策課は「合格してもらう人を受け入れる制度であり、自信がなくなって帰るのはやむを得ない」としている。

§10人、滞在延長できず

滞在を延長したくても、できないのは10人。関東地方の病院で働くインドネシア人の女性候補者(34)も、その一人だ。

「来年も受験したかったのに、すごくショック。知らせを聞いた時は、涙があふれました。私の気持ちは、めちゃめちゃです」

病気で母を亡くし、母国で看護師に。「日本の高い医療技術のもとで働きたい」と思い、08年に来日した。同じ病院で働いていた候補者は今年の試験で合格したが、女性は100点に届かず不合格。でも夢をあきらめきれず、滞在期間の延長を望んでいた。

病院も全面支援しようと、4月から新たな学習計画を設定。1日2時間の勤務時間中の学習では、日本語に特化するなど軌道に乗り始めていた矢先に厚労省から「滞在延長ライン」の知らせが届いた。

この病院の担当者は「3年勉強して102点に満たないのはどうかという思いもある」としながらも、「磨けばダイヤモンドかもしれない人材を点数で切るのは機械的。ふるいにかけるなら、もっと早くしてほしかった」と話す。

滞在期間を延長する対象者の線引きをめぐり、外務省は「合格者を含めて上位81人目の者が獲得した得点以上」という方針を厚労省に伝えた。これを受け、厚労省は「102点以上」と決めた。厚労省国際課は「大量の帰国者が出て、外交上問題になるのを防ぐための措置。何人までなら問題にならないか外務省が判断した」と説明する。

日本側としては、不合格者の帰国は織り込み済みだが、大量に帰国するようならインドネシアから不満が出かねない。そこで、協定をスムーズに進める潤滑油として「外交上の配慮」が行われたとみられる。

今年の試験後には、本人の意欲や滞在延長希望などを調べたが、線引きは機械的になった。そのため、来年の試験でどのくらい合格するかは不透明。ある病院の担当者は「延長できるのはもっと少ないと思っていたので、門戸を広げようという意志を感じる」と評価するが、受け入れ機関によっては負担が大きくなる可能性もある。一方、今年の合格者に1点足りなかった候補者は「勤務中の学習時間はゼロ。延長できるのはうれしいが、モチベーションを維持するのが大変」と漏らす。

§日本の対応に不信感

滞在期間が延長されるのに、自らの意思で帰国を選ぶ候補者も相次ぐ。

「もっと早く(延長を)決めてくれていたら、考え直したかもしれない」

4月末、関西の病院から帰国の途についたインドネシア人の30代女性がこぼした。最後のチャンスだった今年2月の試験。合格最低点の203点にはあと一歩、届かなかったが、滞在延長の対象になる可能性は十分残っていた。それでも帰国を決めたのは、日本の対応を見聞きし、ここで働き続ける意欲が衰えていくのを感じたからだ。

今年の試験でEPA枠で合格したのは16人で、合格率は4%まだ受験の機会が残されていても、あきらめて帰国する人が多いとみられる。インドネシアのほか、フィリピンからも受け入れているが、これまでに帰国したのは73人に上り、全体の16%。とくに今年5月までの3カ月間で、両国合わせて45人が帰国した。

日本に残ろうとする別の20代のインドネシア人女性も、「日本で看護師になりたいから頑張る。でも、サポートしてくれる環境が厳しすぎる」と不安な思いをのぞかせる。

厚労省は3月に滞在期間延長の方針が決まったのを受けて、5月中旬から延長の条件についてのパブリックコメントを募集した。ただ、この間、「省庁内での調整に時間がかかった」として、候補者本人や受け入れ機関に十分な説明をしてこなかった。今後は病院側にも学習計画の改善を求める意向だが、ある病院の担当者は「こうしている間にどんどん候補者が帰国していく。抜本的な制度改正を急ぐべきだ」と訴える。

平野裕子・長崎大学大学院教授は「合格発表直前に起きた東日本大震災をめぐっても、候補者に原発などの情報開示がきちんとなされたとは思えず、不安をあおった可能性がある。これまでの受け入れに対する不満と相まって、中途帰国につながったのではないか」と指摘する。

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ベトナムから看護師ら受け入れへ 政府、経済連携協定で (2011/6/21 東京新聞)

政府は21日、経済連携に関する閣僚会合を開き、経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師と介護福祉士の候補者の受け入れについて、新たにベトナムを対象国とするなどの基本方針を決めた。

現在、協定に基づいて受け入れているインドネシア、フィリピンと同様、母国で看護師資格を持つ人を対象とする方向で検討を進め、9月までに最終的な結論を出す。

ほかにも受け入れを求めてきているタイ、インド両国については「先行国からの受け入れに伴う国内の状況を踏まえてあらためて検討する」とした。

これまで看護師の候補者計19人が国家試験に合格したが、合格率は低調で、日本語の習得が課題と指摘されている。そのため、基本方針では「候補者の日本語能力の向上が必須」として、早ければ今年から現地での教育強化に取り組むとしている。また、合格できずに帰国した人が再び受験できるよう、帰国後の学習支援などを実施する。

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看護師・介護福祉士候補者にベトナム人も-政府が基本方針(2011/6/21 キャリアブレイン)

政府は6月21日に関係閣僚会合を開き、日本との経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れに関する基本方針を決めた。既に交渉が始まっているベトナムからの受け入れの枠組みを検討し、9月までに結論を出すほか、不合格のまま帰国する候補者が再チャレンジできるよう、オンライン上での学習支援や現地での模擬試験の実施を積極的に進める。

インドネシアとフィリピンからの候補者の受け入れについては、看護師候補者の国家試験の合格率が低迷していることなどから、協定を改正しなくても実施可能な制度の見直しを早急に実施する。一方、受け入れ要請のあるタイとインドに関しては、先行国からの受け入れ状況を踏まえて改めて検討する。

また、候補者の国試の合格率を向上させるため、現地での日本語教育の強化に加え、日本の看護・介護制度に関する相手国関係者の理解を深めるための施策を年内にも行う。中長期的には、現地の主要看護大学を活用した教育の実施も視野に入れている。

このほか、今後検討すべき問題点として、▽母語・英語での試験とコミュニケーション能力試験の併用▽国試の出題範囲の適正化▽介護福祉士国試の受験機会の増加▽介護福祉士候補者の定員配置基準換算の見直し―の4項目を挙げている。

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インドネシア看護師候補者68人が在留対象- 厚労省が指針を告示 (2011/6/23 キャリアブレイン)

厚生労働省は6月23日、日本との経済連携協定(EPA)に基づいて2008年度に来日したインドネシア人看護師候補者のうち、在留期間1年延長の対象となる候補者の要件などを示した指針を告示した。昨年度の看護師国家試験で不合格だった78人のうち、68人が在留延長の対象となる。

政府は今年3月、08年度と09年度にEPAに基づき受け入れた看護師候補者と介護福祉士候補者について、一定条件を満たせば滞在期間を1年間延長することを閣議決定した。今回の指針はこれを受けて定められたもの。

指針によると、受け入れ機関では、今年度の看護師国家試験合格を目指すため、候補者の特性に応じた「看護研修改善計画」を作成する必要がある。一方、候補者に求められる要件は、▽改善計画に基づく研修に取り組むとの意思を誓約する署名をする▽昨年度の国試の得点が一定の水準以上―など。

厚労省は国試の得点について、既に受け入れ機関などに通知。それによると、「合格者を含めて上位81人目の者が獲得した得点以上」とするよう外務省から通知されたことを受け、102点以上と決定した。昨年度の国試を受験した08年度入国のインドネシア人看護師候補者は計91人。10人は在留延長が認められないことになる。

ただし、既に帰国している人も少なくない。厚労省などによると、08年度に入国したのは104人だが、6月1日現在、日本に滞在しているのは68人。帰国した36人のうち、今年3月から5月にかけて帰国した人は25人に上る。25人の国試の結果は不明だが、政府の在留延長要件の発表を待たずに、不合格を理由に帰国した人もいるという。

厚労省は23日、指針を告示するとともに、候補者をあっせんする国際厚生事業団に対し、今後の手続きについて受け入れ機関への周知を求める事務連絡などを出した。

それによると、受け入れ機関は改善計画書を含む関係書類を7月7日までに厚労省に提出する。同月下旬に厚労省が受け入れ機関に確認結果を通知した後、在留のための申請が行われる。在留を延長する候補者が確定するのは8月以降となる見通し。

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