トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2010年6月 第114号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

厚労相/「医療ビザ」創設検討/外国人患者受け入れ促進。(2010/04/25 日本経済新聞 朝刊)

長妻昭厚生労働相は24日、日本で高水準の治療や検査を希望する外国人が入国しやすいようにする「医療査証(ビザ)」の創設を検討する方針を固めた。海外の富裕層を念頭に医療ビジネスのすそ野を拡大する狙い。外国人が安心して日本の医療機関を選べるよう、国が医療機関の医療サービス水準を保証する認証制度も検討する。

6月にまとめる政府の新成長戦略に厚労分野の目玉として盛り込みたい考え。近く法務省や外務省など関係省庁との協議に入る。現行の短期滞在ビザの場合、90日間の滞在が可能だが、仮に健診の結果、長期入院が必要になると滞在延長の申請が必要となる。病状などによっては認められるとは限らない。導入を目指す医療ビザでは、医療機関が証明書を出せば一定期間の滞在延長を認める。手術後の経過診査のための入国手続きも簡素化する。

内視鏡手術など先端医療による治療を求めたり、精度の高い健診による病気の早期発見を希望する患者を想定。厚労省は中国などの富裕層に需要があるとみている。新たな認証制度は、通訳などの外国人受け入れ態勢や医療水準を国が「外国人受け入れ医療機関」(仮称)として認定する仕組み。観光庁などと連携し、医療に関する専門的な知識を持つ通訳の養成なども検討する。

医療目的の外国訪問は欧州連合(EU)域内で安価な治療を求める往来が活発。アジアでは韓国やインドなどが外国人向け医療サービス産業の育成に積極的だ。すでに中長期滞在を認める医療ビザ制度も導入した。日本は磁気共鳴画像装置(MRI)の設置件数が主要国で突出するなど医療インフラが高水準で、国際的な競争に十分、堪えられると厚労省はみている。

ただ、日本医師会は「日本人患者が後回しになる」などと反対の立場。厚労省は新成長戦略に「国民医療が阻害されないことが大前提」と明記する方針だが、関係省庁や業界団体との調整が難航する可能性もある。

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日本政府/韓国に向かう外国人患者の呼び込みへ(2010/04/26 朝鮮日報)

日本政府が韓国の病院に向かう外国人富裕層患者の呼び込みに乗り出した。日本経済新聞が25日報じたところによると、日本の厚生労働省が国内の病院で治療を受ける外国人の入国と滞在を保障する「医療ビザ」の導入を推進しているという。

厚労省は「認証制度」も実施することに決めた。病院の医療技術・設備・通訳などを日本政府が評価、「外国人受け入れ医療機関(仮称)」として認証し、外国人患者が安心して日本を訪問できるようにするという内容だ。観光庁と連携して専門知識を持つ通訳も要請する方針だ。厚労省はこうした内容を盛り込んだ「新成長戦略」を6月に発表するという。

現在、日本を訪れる外国人患者は短期滞在ビザで入国している。滞在期間は最長90日に限られており、長期治療が必要な患者は、日本の病院で治療を受けるのが難しかった。医療ビザが導入されれば、医療機関の証明書だけで長期間滞在できるようになる。医療ビザ制度の導入は、中国の富裕層患者を獲得するためだ。現在、こうした患者は大半が韓国やインドに向かっているが、ビザ制度を導入して日本に呼び込もうという狙いだ。

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(けいざい一話)医療観光/受け入れ着々/外国人患者に高水準アピール(2010/04/26 朝日新聞 朝刊)

このところ「医療観光」=キーワード=という言葉をよく耳にします。治療や健康診断のため、外国に出かけることです。海外では、医療費の安さや満足できる技術を求め、患者が抵抗感なく国境を越えるようになっています。日本でも、高水準の医療を売り物に外国人を誘致する取り組みが始まっています。

○がん手術、依頼はメール
「具合は良さそうですね」。今月中旬、東京都江東区の癌(がん)研有明病院の診察室で、比企直樹医師が米ロサンゼルスから来た女性患者(59)に英語で語りかけた。女性は2年前、同病院でおなかを大きく切らずに済む早期胃がんの腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた。この日は半年に1度の検診の日だった。

がんと分かった後、女性は体への負担が少ない手術方法を探した。インターネットで見つけた論文で比企医師を知り、メールで手術を依頼した。これまでの数度の来日で新宿、原宿を見て回り、伊勢丹で買い物をした。鎌倉も訪れたという。今回は同行した息子(36)も胃がんの検診を受けた。150万円程度とみられる手術代は全額自費。毎回の検診時の渡航費用もかかる。だが、女性は「比企医師や看護師たちの対応もすごくいい。術後の経過も順調で、非常に満足だ」と話す。

有明病院では同じような患者が増えている。「医療観光」の患者は2008年度が9人だったのが、09年度には22人に。患者の国際化に対応するため、昨年11月に院内に「国際医療チーム」を立ち上げ、月1回の会合を開いている。外国人患者の受け入れや治療費支払いに関する基準作りなどにあたっている。

千葉県鴨川市の「亀田メディカルセンター」でも、海外からの患者が増加し、昨年は約50人にのぼった。海外からの問い合わせのメールは、ほぼ毎日5、6通届く。

同センターは昨年8月に日本で初めて、国際病院評価機構(JCI)の認証を取得した。JCI認証は医療機関の国際的な信頼度を担保する指標の一つで、外国人の患者や国外の保険会社が病院を選ぶ際の目安になる。

現在、日本の看護師資格の取得を目指す4人のフィリピン人が働いている。今夏までには、中国人で既に資格取得済みの看護師を複数雇う予定だ。将来は13階建ての入院病棟のワンフロアを「外国人専用」とする構想もある。

亀田隆明理事長は「他病院のJCI取得にも協力していきたい。医療の国際化は、結果として医療レベルの引き上げになり、日本の国民にも喜ばれるはずだ」と語る。

○通訳・ツアー、業界動く
「医療観光」の関連ビジネスも盛り上がりつつある。大阪市北区にある通訳者・翻訳者養成学校「インタースクール」大阪校では21日、「医療通訳コース」の年間講座が始まった。生徒たちは「触診」「視診」などの医学用語の英訳を学ぶ。生徒の大曽根知美さん(37)は「きちんと医学的知識を持った通訳ができるようになりたい」と話す。

昨年から、大阪や東京など全国5校で本格的な医療通訳の講座を始め、約80人が受講した。今春からは中国語コースも設けた。

旅行業界も動く。日本旅行は昨年4月、中国の富裕層向けに、全身を一度で診る陽電子放射断層撮影(PET)検診ツアーの販売を始めた。観光とセットで費用は100万円を超すが、今年2月末までに43人が参加した。藤田観光も今春からPET検診ツアーの募集を始めた。最大手のJTBも「医療観光」を専門に手がける部署を設立した。

政府も後押しする。経済産業省は09年度まで、医療通訳や入国制度で問題がないか探る実証試験として、中国などから24人を招き、健康診断を受けてもらった。今後、成果を生かし、改善に役立てる方針だ。観光庁は6月、上海で開かれる旅行博覧会(ALTM)で、医療観光のブースを設ける予定だ。関係者たちは10年を「医療観光元年」と位置付ける。

ただ、地方を中心に医師不足による「医療崩壊」が指摘されている中、海外の富裕層患者を優先することで、国内医療にしわ寄せが行くことを心配する声もある。「医療観光」に関する著書がある医師の真野俊樹・多摩大学教授は「現状では外国人患者が治療を求めて大挙押しかけるとは考えにくい」としながらも、「民間病院を中心にどこが担っていくかの選別と整理はきちんとすべきだ」と指摘する。

○技術向上、国内患者にも利点(視点)
国内の患者の治療を後回しにして海外の富裕層を優先する事態になれば問題だが、「余力」のある病院が医療観光に乗り出すことは、決して悪い話ではないと思う。病院が医療技術やサービスの向上を競えば、国内患者にもプラスだろう。医療分野以外への経済効果も期待できる。

重要なのが医療通訳の存在だ。病状が正しく医師に伝わらなければ、高度の医療技術も生かせない。近畿大学医学部の小山敦子准教授は「国や公的機関が認定する医療通訳士を創設すべきだ」と提案する。日本在住の外国人も安心できるだろう。政府が医療観光に本腰を入れるのなら、きめの細かい施策を求めたい。

○キーワード <医療観光(メディカルツーリズム)>
治療目的で外国に行き、滞在先で観光もする。医療といっても、がんや心臓手術などの高度医療から美容整形、健康診断まで幅広い。外国人患者の受け入れ数が世界で最も多いのはタイで、年間約140万人(2008年)。医療観光による年間収入は約1920億円に上る。政府の後押しと治療費の安さが理由だ。米民間会社の推計では、10年の医療観光の世界市場は1千億ドル(約9兆3千億円)規模とされる。

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異国の研修/学生が支え/インドネシア看護師候補者と交流/慶大の試み/神奈川県(2010/04/26 朝日新聞 朝刊)

経済連携協定(EPA)に基づいて来日したインドネシアの看護師候補者をサポートする取り組みが慶応大学で始まっている。インドネシア語を学ぶ学生が中心となって交流会を開き、日本になじむよう支援している。看護師候補者を預かる病院側は「こうした取り組みがもっと広がってほしい」と期待を寄せる。

「サクラを見るのは初めてです。とてもきれい」。ジュリアナ・パルデデさん(32)は目を輝かす。インダ・アグスティナさん(29)は、故郷に残してきた我が子へのおみやげを、学生に相談しながら選んでいる。3月下旬の休日。2人は慶応大学の学生とともに、サクラが咲き始めた鎌倉で、散策と買い物を楽しんだ。昨年11月に来日した2人は、今年1月から済生会横浜市東部病院(横浜市鶴見区)で研修を続けている。

この日の交流会に参加した学生は4人。専攻は違うがインドネシア語に親しんでいる。総合政策学部2年の二木緑葉(あおば)さん(20)は、イスラム教徒であるインダさんに配慮しながらコースを選んだ。大学院生の安井悠介さん(25)は、家電量販店で、携帯電話の契約変更など込み入った話を通訳し、2人の疑問や不安を解消するのに一役買った。ほかの学生も買い物や食事で会話を楽しんだ。

インダさんは「(インドネシア語で)いっぱい話していっぱい笑った。リフレッシュしました」と笑う。EPAで合格者が出たことが励みになったというジュリアナさんは「楽しかったから、明日からまたがんばることができます」。

慶応大がこのサポートプロジェクトを開始したのは今年1月。同大でインドネシア語を学ぶ学生を募り、インドネシア看護師候補者の支援を行う。看護師候補者が日本の生活になじめるよう支援するとともに、学生の側もインドネシアの生きた知識を得たり、語学力を磨いたりすることが目的だ。

プロジェクト代表の杉本なおみ看護医療学部教授(コミュニケーション学)は、「大学による地域貢献の新しいモデルで、いわば『病学連携』の試み」と話す。プロジェクトでは、学生との交流会だけでなく、受け入れる病院側の日本人職員を対象にインドネシアの文化などの研修を実施している。

「すごく楽しかったと2人の日記に書いてありました」。済生会横浜市東部病院で2人をサポートしているスタッフの一人、鈴木美保さんは言う。「こういう大学のサポートを受けられるのは幸運。できればほかの病院にも広がってほしいですね」杉本教授は「近隣の医療機関から支援を求められれば、今後さらに活動の輪を広げていきたい」と話している。

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在日外国人対象の無料ヘルパー講座/受講者の就職好調/横浜市福祉事業経営者会が実施(2010/04/23 シルバー新報)

横浜市の特別養護老人ホームの経営者などで作る横浜市福祉事業経営者会(松井住仁会長)は今年1月から、日本に在留資格のある在日外国人を対象にした無料ヘルパー2級講習会を始めた。初回はベトナム人が対象で5人が受講。既に2人は特養に就職、残る3人も近々仕事が決まりそうだという。介護人材不足を外国人で補おうとの狙いがあるが、滑り出しは好調のようだ。

横浜市は2006年度から10年度にかけて、特養について年間900床の緊急整備を実施している。これに伴い、常勤換算で毎年300人以上の介護職員の確保が必要となっているが、人材不足の状況は変わらない。そこで、横浜市福祉事業経営者会が目をつけたのが在日外国人の存在だ。

今年1月末〜3月末にかけて、就労に制限のない在留資格を持つ外国人限定で、2カ月でヘルパー2級の資格を取得する無料講習を開講。初回は横浜市泉区内の団地にベトナム人が多数在住していることから、ベトナム人を対象にした。

講習には在日2年から25年までのベトナム人女性5人が参加。不況で職を失ったり、生活保護を受けている人もいた。

日本で生まれ育ったレティ・キムフンさん(26)は、「母が介護の仕事をしているので興味を持った」と流暢な日本語。読み書きにも不自由しない。7年前に日本人と結婚して来日したレティ・キム・タンさん(37)は「実習先の人も親切で、仕事も楽しい。言葉はまだまだ勉強しないといけないが、是非介護職になりたい」と笑顔で話す。

横浜市福祉事業経営者会は、就職先のあっせんなどアフターフォローも行う。キムフンさんとキム・タンさんともう1人は現在、特養施設と面接の真っ最中だが、残る2人は市内の特養で既に働いているという。

「みんな笑顔が明るく素直。実習先でも入居者からも評判が良かった」と甘粕弘志事務局長。5月下旬からは中国人を対象に第2弾の講習を実施予定だ。

甘粕事務局長は「製造業から介護職に入ってきても、合わない人も多い。コミュニケーション力が問われる仕事。外国人でも日本語がしゃべれて、コミュニケーション能力が高ければ問題ない。定着率も高まるのでは」と期待を込める。

横浜市内でも経済連携協定(EPA)による介護福祉士候補生が既に働いているが、施設側の費用負担が重く、人員配置基準にも含まれないので、受け入れが進まない実態がある。

今後、在日外国人の介護分野への進出が徐々に進むかもしれない。

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[社説]医療の人手不足/外国人の就労制限撤廃は当然(2010/04/26 東京読売新聞 朝刊)

医療や介護の人手不足は深刻だ。資格を持つ外国人の就労制限をなくすのは当然と言えよう。

法務省が先月末に策定した第4次出入国管理基本計画に、医療分野の在留資格で看護師や歯科医師として働く外国人に課している就労年数制限の見直しが明記された。外国人の場合、日本の国家試験に合格して免許を取得しても、看護師は7年、歯科医師は6年を超えて日本で働き続けることができない。保健師や助産師にも4年までの制限がある。

日本で働き続けたいと希望する外国人は多い。日本語能力のハンデを乗り越えて試験に合格したのだから、正当な要望だろう。

就労年数制限は、日本人の雇用に影響を及ぼすことを懸念して設けられた側面が強い。以前から過剰な規制との批判があり、医師については4年前に撤廃された。

法務省は省令を改正し、看護師など残る職種すべての制限を撤廃するという。必要な是正である。改正作業を急いでほしい。

基本計画は、日本国内の大学卒業と国家試験の合格を条件に、介護分野でも外国人の受け入れを検討することを盛り込んだ。

介護を受ける高齢者は加速度的に増加する。約124万人の介護職員は、2025年にはほぼ2倍必要になると推計されている。

一方、介護福祉士の資格を持ちながら働いていない日本人が数多くいる。心身ともに大変な仕事であるのに報酬が低いためだ。

人手不足解消のためには、まず日本人の労働環境の改善に努めるべきだが、日本人職員を急激に増やすのは限界がある。介護分野でも外国人の受け入れに道を開くのは、妥当な判断といえる。

インドネシア、フィリピンとの経済連携協定(EPA)に基づいて受け入れている看護師・介護福祉士希望者への対応も必要だ。

試験問題に難解な漢字が頻出することもあり、先月の看護師試験でも、受験した254人のうち合格者は3人にとどまった。

彼らは母国で資格を取り、看護や介護に必要な知識を身につけている人たちだ。日本人の合格者が9割近いことを考えると、合格率が極端に低いのは漢字が障壁となっているのは間違いあるまい。

厚生労働省も試験の見直しに着手し、「褥瘡(じょくそう)」は「床ずれ」という具合に、平易な表現に言い換えることを検討している。歓迎できる動きだ。漢字にルビを振ることや、辞書の持ち込みを認めるなどさらに工夫を図ってほしい。

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日本語試験就労の条件に/外国人看護師・介護福祉士/施設側の負担軽減/厚労省検討(2010/05/07 日本経済新聞 朝刊)

厚生労働省はインドネシアとフィリピンから看護師・介護福祉士の候補者を受け入れる場合、来日前に日本語能力試験に合格していることを条件とする方向で検討する。受け入れ側の医療・介護施設の負担を軽減するのが狙い。外務省と協議し、両国との経済連携協定(EPA)を見直したい考えだ。現在の条件より厳しくなるため、求職者が減る恐れもある。両国の反発も予想され、実現までには曲折がありそうだ。

日本はインドネシア・フィリピン両国から看護師・介護福祉士の候補者を受け入れる協定を結び、いずれも2008年に発効した。厚労省は「日本語能力を習得した候補者だけを受け入れれば、施設の負担が減り、国家試験の合格率も高まる」と指摘

両国の候補者が来日する前に、日本語能力試験に合格するよう求める方向で検討する。

具体的な習得レベルはこれから詰める。少なくとも日常会話や簡単な読み書きができる能力を身につけるよう要請する方針だ。5段階ある日本語能力試験で、中級以上の2〜3程度を想定しているとみられる。

日本語能力試験の合格を来日の条件とするには、EPAも見直す必要がある。フィリピンとの見直しは11年で、インドネシアは13年。厚労省は外務省と連携し、EPA見直しの議題に乗せる方向で調整する。

現在は日本の受け入れ施設が決まった両国の候補者に、6カ月間の日本語研修を義務づけている。その費用は政府がすべて負担している。ただ研修後の日本語能力はまちまちで、簡単なコミュニケーションをとれない例もあるという。受け入れ先が独自の研修を実施したり、日本語学校に通学させたりして、語学の習得を支援しているのが実情だ

厚労省は6カ月間の研修を終えた候補者の日本語学習も支援するため、今年度予算に新たな補助金を計上した。受け入れ側の金銭的な負担は軽くなる見通しだが「外国人が夜間や休日も学習に追われ、本業がおろそかになるのでは」との懸念も出ている。

すでに来日している候補者については、国家試験の問題を読みやすくなるように、難解な用語を置き換えることなどを引き続き検討する。

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日本語試験就労の条件に/求職の意欲そぐ恐れも(解説)(2010/05/07 日本経済新聞 朝刊)

外国人看護師・介護福祉士の候補者に一定の日本語能力の習得を義務づけるのは、受け入れ施設が負担増を嫌がり、求人が激減しているためだ。ただ外国人の求職を減らす要因になりかねず、日本国内でも賛否が分かれそうだ。

インドネシア人看護師・介護福祉士の2010年度の求人数は149人。09年度の受け入れ人数は362人で、10年度はその半分以下に減る見通しだ。フィリピンも同じ傾向にある。

インドネシア人の看護師候補者をすでに受け入れている東京都内の大手病院は「語学教育から生活支援まで、受け入れ施設の負担が重すぎる」と話す。今後は求人しない方針だ。厚生労働省も「このまま受け入れ人数が減り続ければ、制度が形骸化しかねない」と心配する。

だが日本語能力試験の合格を義務づければ、両国からの候補者の受け入れを阻害することになりかねない。「外国人の日本語教育に伴う負担を負ってでも人材がほしい」という施設の意欲をそぐ恐れもあるだけに、民間同士で条件を決めるべきだとの声も出ている。

フィリピンなどは人材の海外進出を積極的に支援しており、厳しい条件に外国政府が反発する可能性もある。

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比から候補派遣/大幅減の計118人/看護師・介護福祉士(2010/05/08 朝日新聞 朝刊)

日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)に基づき日本に派遣されるフィリピン人看護師・介護福祉士候補の壮行会が7日、マニラで開かれた。最終段階での辞退などもあり、2年目となる今年の派遣数は看護師46人、介護福祉士72人の計118人。昨年同時期の派遣数283人を大きく下回る結果になった。候補たちは9日に訪日する

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信州・取材前線:外国人看護師・介護福祉士(その1)/資格へ言葉の壁/長野(2010/05/08 毎日新聞 地方版)

◇県内15人、合格ゼロ 専門用語「難しすぎる」
日本との経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア、フィリピンからの看護師、介護福祉士の受け入れが始まって約1年半。県内では今、両国籍の看護師8人、介護福祉士7人が働く。高齢者のケアなどの仕事に奮闘しながら日本の国家資格を目指す彼らだが、合格者はいまだゼロ。難解な専門用語の習得には困難がつきまとい、教育と実務の負担が現場に任される制度のアンバランスさも浮かんでくる。手探りが続く県内の病院をたずねた。桔梗ケ原病院(塩尻市)の病棟で6日午後、イスラム教徒が「ジルバブ」と呼ぶ布で髪を覆ったインドネシア人看護師、セアニア・エスティアリニエさん(26)が患者のおむつを替えていた。

「コンニチハ。大丈夫ですよ、心配しないで」笑顔を見せながら、体の不自由なお年寄りたちに優しく声をかける。本国での看護師経験は2年。08年8月に来日し、日本語の日常会話はマスターした。慣れない日本だが表情は明るい。患者から名前で呼ばれたり、親しみを込めて「インドネシアさん」と呼ばれるようになった。

同病院は09年2月、日本で看護師資格を目指すインドネシア人女性5人を受け入れた。「日本を知りたい」「高い技術を学びたい」など、来日の動機はさまざま。本国ではそれぞれ2〜8年のキャリアを持つが、ここでの身分はまだ「看護助手」だ。おむつ交換や入浴、体をふくなどが主で、専門的な医療行為にはかかわれない。

5人は日本の看護師試験を2度受験したが、いずれも不合格。チャンスはあと1回。もしだめだったら帰国を余儀なくされる。

最大の難関は、漢字の習得だ。せきは「咳嗽(がいそう)」、体をふくことは「清拭(せいしき)」、むくみは「浮腫(ふしゅ)」――。専門用語は日本人でも難しい物も多い。

午後の約3時間半が、試験科目や日本語の勉強の時間だが、アストウティ・カイディアワティさん(32)は「漢字の意味を理解するのは大変。解答時間が足りない」。アジザ・ナフィさん(25)は「難しすぎて、勉強の意欲が落ちてしまうこともある」と打ち明ける。

国や県の支援がない中、受け入れた病院側も手探りの連続だった。教育プログラムはスタッフの手作り。時間割を定め、5人に漢字の習得目標を決めさせた。過去の試験問題を使い、仕事の合間をぬって主任以上の看護師が交代で教えたが、結果は伴わなかった。千野啓子・看護部統括部長は「教える方も教わる方も、2回目の試験失敗で燃え尽きてしまった。仕事をしながらでは現場の負担も限界」。民間の予備校の通信教育に、5月中旬から切り替えるという。

資格を得る見通しは立っていないが、セアニアさんは「患者さんの笑顔だけでいい」。ザニ・サプトゥリさん(28)は「言葉を使わなくても気持ちが分かる時がある」と屈託ない。「インドネシアでも日本でも、患者さんを大切にしたい思いは変わらない」と言う5人の挑戦は、来年2月の試験まで続く。

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信州・取材前線:外国人看護師・介護福祉士(その2止)「見切り発車」…/長野(2010/05/08 毎日新聞 地方版)

◇「見切り発車」、現場任せ
◇教育の人手、家賃、賃金…日本語研修以外ほぼ負担
県内の看護師・准看護師数は約2万2800人(08年現在)。90年約1万2200人、00年1万8100人と一貫して増加傾向をたどっており、人口10万人あたりの数も1043人(08年現在)と、全国平均の980人を上回る。だが、医療・介護現場の実感は数字とは異なる。県看護協会の西沢喜代子会長は、過酷な勤務実態から来る人手不足のほか、「女性が多く、出産や子育てに伴う離職者も少なくない。継続勤務や復職を後押しするため、労働環境の改善が課題だ」と指摘する。

桔梗ケ原病院がインドネシア人5人を受け入れたのも、看護師、看護助手の不足を解消するためだ。千野啓子・看護部統括部長は「制度自体が『見切り発車』の面はあったが、少子高齢化を見据え、将来的に貴重な人材になりうる」と、受け入れ決定の理由を説明する。県内では3病院、4施設が計15人を受け入れている。京都大大学院の安里和晃・准教授(外国人労働者問題)は「看護師が足りない地域のニーズに応えるため、海外の人材を使わない手はない」と言う。

しかし現行制度は、受け入れを現場サイドに任せっきり、というのが実態だ。厚生労働省の外郭団体「国際厚生事業団」が、両国からの受け入れを希望する施設を募集。半年間の日本語研修を行うが、それ以外の実務は、外国人と雇用契約を結んだ受け入れ施設が担う。独自の日本語学校への通学、試験科目の勉強といった教育コスト、賃金支払いなどだ。桔梗ケ原病院の場合は、看護助手として働く5人に日本人と同額の賃金を支払うほか、家賃も負担。5人の教育に割く人手やコストも病院の「持ち出し」になっている。

現場の負担の重さに批判が高まり、国はようやく今年度、日本語学校の受講費の一部助成や、インターネットを使った無料通信教育に乗り出した。勉強の仕方や教材などを示した「標準学習プラン」も策定したが、なお教育機関でない現場が教育面をほとんど担う実態に変わりはない。安里准教授は「国の発想は国家試験合格までのプロセスが抜け落ち、現場にしわ寄せがきている。海外の人材の力を発揮できる環境にしなければ、制度は機能しない」と批判する。

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看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN)2017年 1月〜11月号

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