トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2010年5月 第113号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

看護師試験/インドネシアとフィリピンの計3人合格(2010/03/26 14:27 朝日新聞速報ニュース)

厚生労働省は26日、2010年度の看護師国家試験の合格者を発表した。日本との経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアとフィリピンから受け入れた研修中の看護師の候補者のうち、計3人が合格した

08年度からインドネシア人、09年度からフィリピン人の受け入れを始めて以来、看護師試験は2度目で、合格者が出たのは初めて。

計5万2883人が今回の看護師試験を受験し、4万7340人が合格した。このうちEPA関連では両国からの254人が受験し、新潟県の三之町病院(三条市)のインドネシア人2人、栃木県の足利赤十字病院(足利市)のフィリピン人1人が合格した

両国の候補者は母国で資格があっても日本では無資格扱い。協定では、看護師は3年、介護福祉士は上限4年の滞在期間内に、日本語で実施される国家試験に合格しなければ、帰国しなければならない。看護師試験は年に1回で計3回、介護福祉士は4年目に1回だけ受験資格がある

看護師試験をめぐっては、英語や母国語での受験を認めるなどの配慮を求める声も上がっているが、厚労省は来年度以降、難解な日本語については、言い換えるなどの一部見直しを検討している

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看護師に外国人3人合格/日本語読解が壁/制度整備も課題。(2010/03/27 日本経済新聞 )

厚生労働省は26日、経済連携協定(EPA)に基づいて来日したインドネシア人とフィリピン人の計3人が看護師の国家試験に合格したと発表した。EPAで入国した外国人の合格は初めて。ただ、合格率は1%強で、全体の合格率(89・5%)を大きく下回る。高齢化で看護師・介護士のニーズが高まる中で、日本語による試験のあり方を含め、受け入れ政策の見直しを迫られる。

EPAによって看護師候補として来日したインドネシア人は2008〜09年度に277人。フィリピンからは09年度に初めて93人が来日した。今回受験したのは計254人で合格率は1・2%。昨年はインドネシア人82人が国家試験を受けたが合格者はゼロだった。看護師の国家試験では日本人の場合は7〜9割が合格する。外国人の合格率が極端に低い要因は「日本語の壁」にある。都内の河北総合病院は09年2月に2人の看護師候補を受け入れた。看護師試験に向けて看護部の担当者が学習プランを作成。仕事後に看護師らがボランティアで日本語を教える毎日だ。だが1人は1年たった今も漢字の読み書きができない。担当者は「最初はあいさつもできなかった。試験問題の解読は極めてハードルが高い」と話す。

不合格だった外国人は来年の試験へ向け勉強を再開することになる。受験機会は3回まで。認められた滞在期間は3年。また、介護福祉士を目指す外国人は滞在期間は4年。3年の実務経験を経て受験資格を取得するため、受験は事実上1回のみ。受け入れ病院でおむつ交換などの看護補助作業をしながら、専門知識や技術を学び、日本語を勉強するケースが多い。

看護研修や日本語の学習費用は多くの場合は施設が担う。インドネシア人を受け入れている病院関係者は「現場の負担を考えると追加受け入れは考えられない」と話す。雇用情勢の悪化で医療分野で働こうとする日本人が増えたこともあり、10年度に外国人看護師・介護士候補の受け入れを希望した施設は前年度の4割ほどに落ち込んだ。

長妻昭厚生労働相は26日、「3人合格したのは喜ばしい。日本人でも難しい言葉をどう変えていくかが課題だ」と指摘。岡田克也外相も「言葉の壁が必要以上に阻害要因にならない工夫がいる」と話した。政府は試験問題での専門用語の簡単な言い換えなどを検討する構え。10年度予算で日本語能力を高めるための費用を助成するなど支援策を拡充する。

他の主要国に比べて日本は外国人労働力の位置付けがはっきりせず、受け入れのための制度整備も怠ってきた。政府はインドネシア、フィリピンともに最初の2年間で約400人の看護師受け入れを掲げている。ただ、日本行きを希望する人は少なく、合格者が増えないまま定員割れに拍車がかかる可能性が高い。

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EPA/来日研修生、看護師に/254人中3人…超難関/日本語が壁(2010/03/27 毎日新聞)

◇日本人は9割合格
「患者さんに感謝してもらえるよう日本で働きたい」。26日、看護師国家試験の合格者が発表され、日本で研修中のインドネシア人男女各1人とフィリピン人女性1人の計3人が合格し、それぞれ夢を膨らませた。経済連携協定(EPA)に基づき来日した候補者として初の看護師誕生だ。だが、日本語がネックとなり針の穴のような狭き門。多くが不合格で帰国すると国内外で批判が高まりそうだ。

合格したのは、インドネシア人のヤレド・フェブリアン・フェルナンデスさん(26)=新潟・三之町病院▽リア・アグスティナさん(26)=同▽フィリピン人のラリン・エバー・ガメドさん(34)=栃木・足利赤十字病院。

試験は先月21日にあり、両国の看護師候補者のうち約7割の254人が受験した。日本人を含めた看護師の全国平均合格率は89・5%だった。

「すっごくすっごくうれしいです」。会見したアグスティナさんは両手を大きく広げて喜んだ。母国の弟と妹にメールで報告したという。フェルナンデスさんも「病院の人の応援があって合格できた。感謝の気持ちを返したい」と話した。2人は母国で看護師を2〜3年経験し08年に来日した。午前中はベッドシーツの交換などの仕事をし、午後に約4時間、病院スタッフ1人がついて試験勉強や日本語の指導を受けた。

昨年2月の国家試験では受験した82人が全員不合格で、来日3年以内に合格できなければ帰国となる。第1陣(08年8月)のチャンスはあと1回だ。アグスティナさんは「みんな一生懸命勉強するので3年の期限を延長してくれませんか」と話した。

フィリピン人で唯一合格したガメドさんも母国で8年の看護師経験がある。毎日、深夜1時過ぎまで猛勉強し漢字の習得などに励んだ。「多くの患者さんに感謝してもらえるように精いっぱい働きたい」。4月に日本赤十字社の正式職員として採用予定で「来年は大勢の友人が合格することを祈っています」と話した。

EPAの受け入れをめぐっては、現場の病院・施設まかせで「日本語支援が不十分」(平野裕子・九州大准教授)という指摘があった。インドネシアのマルティ・ナタレガワ外相も今年1月、岡田克也外相との会談で「漢字が難しい試験を改善してほしい」と求めている。

国は昨年から日本語学習教材の開発や過去の試験の翻訳を始め、2010年度は今年度に比べ10倍の予算(約9億円)が計上された。ただ「褥瘡(じょくそう)(床ずれ)」など難しい用語の言い換えの検討を始めたばかりだ。

安里和晃・京都大准教授(移民政策)は「本国では一定のスキルがあるのに、不合格で無資格のまま大量帰国ということになれば、EPAの制度そのものが問われかねない」と話す。

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インドネシアの2看護助手/看護師国家試験に合格/「サポートに感謝」三条/新潟県 (2010/03/27 朝日新聞)

26日にあった看護師国家試験の合格発表で、経済連携協定(EPA)で来日したインドネシア人とフィリピン人の合格者は、全国でわずか3人。うちインドネシア人の2人は、県内唯一の受け入れ先となった三条市の三之町(さんのちょう)病院で、看護助手として働きながら勉強に励んできた。病院側の支援体制も充実しており、難関を突破した2人は、今後も同病院で勤務するつもりだという。

合格したのは、リア・アグスティナさん(26)とヤレド・フェブリアン・フェルナンデスさん(26)。リアさんは「安心して、すごくうれしかった。日本とインドネシアの政府、サポートしてくれた病院の皆さんに感謝したい」と喜んだ。

2人は大学や看護学校卒業後、インドネシアの病院で看護師として働いていた。2008年夏に来日し、日本語研修を経て09年2月から同病院に着任した。

午前中は医療器具の消毒やシーツの交換、食事の介助など看護助手として働き、午後は勉強部屋として用意してもらった病院の一室を使って国家試験対策に集中。病院は、医師や看護師、病院職員らがシフトを組み、付きっきりで医療の知識や日本語を教えるなど支援体制を整えた。鎌田健一病院長は「日本に来たことを将来後悔させないようにサポートしなくてはと思った」。純粋で勤勉な2人の姿は職員らにも刺激を与えたという。「自分の子どものよう」と懸命に指導してきた五十嵐博美・看護総師長は「現場でも頼りにされているんです」と話す。

国家試験に合格しても、日本語の力にはまだまだ不安がある。医療現場で飛び交う早口の日本語を聞き取れるか、医師が手書きしたカルテを読めるか、患者の方言を理解できるか――。日本で看護師として働くには、これからも苦労が多い。だが2人とも「来てよかった」と口をそろえる。リアさんは「日本で勉強を続けて、大学院にも行きたい」。ヤレドさんは「もっともっと勉強して、日本で働きたい」と夢見ている。

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狭き門抜け/看護師に/EPAで来日/合格/フィリピン人エヴァーさん/栃木県(2010/03/27 朝日新聞)

足利赤十字病院(小松本悟院長)で研修中だったフィリピン人のラリン・エヴァー・ガメッドさん(34)が26日、日本の看護師国家試験に合格した。日本との経済連携協定(EPA)に基づいて昨年5月に来日、11月から看護助手をしながら合格を目指していた。フィリピン人として全国唯一の合格者となったエヴァーさんは合格発表後の記者会見で、「多くの患者さんに感謝してもらえるように、精いっぱい働きたい」と話した。

県内では足利赤十字、報徳会宇都宮、リハビリテーション花の舎(野木町)の3病院で看護助手や介護助手として働くインドネシア人5人とフィリピン人2人が看護師の国家試験を受けたが、合格したのはエヴァーさんだけ。EPAでの合格者は全国でも3人だけという狭き門だった。

エヴァーさんは母国で看護師資格を取得。8年間勤務した後、サウジアラビアで5年間、救命医療などに携わった。世界的な経済情勢の悪化で母国に戻った際、EPAでの来日を志願した。

来日するまで日本語はできなかった。だが、日中は病院で研修し、寮に帰っても深夜まで日本語の勉強に励んだ。12月には日本語検定2級のレベルに達したという。

来月1日、正式に看護師として足利赤十字病院に採用される。研修からわずか3カ月余り。受け入れた小松本院長は「快挙だと思う。職員全員の誇りです」と話した。

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外国人の看護師・介護士候補/新年度の受け入れ施設激減/語学指導が重い負担(2010/03/19 朝日新聞 )

経済連携協定(EPA)に基づき看護師や介護福祉士を目指すインドネシア人やフィリピン人を受け入れる日本の施設と求人数が2010年度は大幅に減ることが分かった。インドネシアは今年度の3分の1、フィリピンも半分以下。日本語の国家試験が難しく指導する施設の負担も重いのが主な理由だ。

EPAは日本製品の輸入条件の緩和の代わりに両国の看護師と介護福祉士の候補者を受け入れる仕組み。08年度に始まり計約850人が来日。看護師は3年以内に国家試験に通らなければ帰国を迫られるが昨年の合格者はゼロ。介護福祉士は3年の実務経験が終わった後で受験できるのでまだ受験者はいない。

国際厚生事業団によると、09年度のインドネシアからの受け入れ施設数は194で求人は計467人。これに対し計362人が実際に来日した。ところが10年度は3分の1の62施設しかなく求人も142人。フィリピンからの受け入れも09年度は175施設から計444人だったが、10年度は82施設計179人と半分以下に減った。

計8人受け入れた永生病院(東京都)は10年度は採用しない。同病院で働くデウィ・セップティヤスリニさん(26)は看護の補助をしながら勉強に励む。インドネシア大学を卒業し母国で2年間、看護師として働いた。昨年初めて国家試験を受験。漢字の多さに驚き、ほとんど意味がわからなかったという。「皆さん教えてくれたが今年も合格できないと思う。もし私たち1期生が全然受からないなら他の人は来ないほうがいい」と話す。

前看護部長で相談役の宮沢美代子さんは「言葉が理解できないため指導時間は日本人の倍かかる。今いる人を受からせなくては」という。

桔梗ケ原病院(長野県)は、08年度5人を採用したが09、10年度は採用しなかった。平日の午前は看護助手の仕事、午後は看護師2人から日本語などを学ぶ。看護部長は「日本人看護師2人の労働力までとられる」と言う。

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合格待つ看護師候補/3病院のEPA外国人/言葉の壁、現場も支援/栃木県(2010/03/20 朝日新聞)

日本との経済連携協定(EPA)に基づき2年前に来日し、県内の3病院が受け入れた5人のインドネシア人看護師候補者が、26日の看護師国家試験の結果発表を待っている。受験のチャンスは3年間で3回だけ。昨年の1回目は5人を含めた全国の82人全員が不合格だった。日本語の習得という厚い壁を打ち破ろうと、本人や病院関係者が努力を重ねてきたが、今回は合格という結果となって現れるのか。

インドネシア人看護師候補者は2008年8月に第1陣の104人が来日し、県内では足利赤十字病院(足利市)が1人、宇都宮病院(宇都宮市)が2人、リハビリテーション花の舎(いえ)病院(野木町)が2人を受け入れた。

花の舎病院で受け入れているのは、ダセップ・サエプル・アンワールさん(28)とジャヒサル・ビンジョリさん(27)の男性2人。09年2月から、食事や入浴などの介助の仕事をしている。

2人とも母国では4年間の看護師歴があるが、来日前に日本語は話せなかった。それでも「新しいことに挑戦したい」「母国より進んでいるリハビリを学びたい」と来日した。09年2月に受けた1回目の国家試験は日本語で書かれた問題が読めず、鉛筆を転がしてマークシートを埋めた。

年1回の国家試験に3年以内に合格しないと、2人は日本で看護師になる目的を果たすことなく、帰国しなければならない。「どうするのが一番いいか」。同病院の船田淳子看護部長は2人と話し合った結果、「勉強が当面の2人の仕事」と試験の準備に重点を置くことを決めた。

昨年3月から週2回、埼玉県にある看護師国家試験に向けた予備校に通い始めた。9月からは週2回、病院内で日本語教師のレッスンも受けている。いずれも授業料、交通費などは病院の負担だ。2人の病院での勤務は1週間に計16時間ほどになった。

そして、迎えた2月11日、2人は日本人に混じって国家試験を受けた。日本語はかなり上達したものの、自己採点した2人の表情は明るくない。船田看護部長は「結果はまだわからないが、母国では優秀な人材。こんなにがんばったのに合格に届かないのであれば、国は何らかの対処をしてほしい」と話す。

候補者のあっせんをしている国際厚生事業団の聞き取り調査でも、全国の受け入れ施設から「何をどう教えるのか、施設にすべて任されているのはつらい」など悩みの声が相次いでいる。同事業団は新年度、国家試験対策のために候補者や受け入れ施設に補助金を出したり、過去の試験問題を翻訳したものを配ったりする方針だが、抜本的な解決策は見いだせていない。

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外国人医師の診療容認/制度改正を戦略相検討/日本の免許不要に。(2010/03/22 日本経済新聞)

仙谷由人国家戦略相は21日、日本の医師免許を持っていなくても、一定の技術がある外国人医師に日本国内での診療を認める制度改正を検討すると表明した。医療機関などを視察した後、神戸市内で記者団に語った。まずは特定の地域や医療機関で外国人医師の診察を監督できる体制が整っている場合に認める案を軸に、6月に政府がまとめる成長戦略に盛り込みたい考えだ。

仙谷氏は記者団に「外国人医師は日本で試験を受けないといけない。世界レベルの医者に失礼だ。そういうことを取っ払うことを仕掛けないといけない」と強調した。

今後、検討する場としては、規制改革を扱う行政刷新会議を候補にあげ、枝野幸男行刷相に伝える考えを示した。

同時に、医療行政を所管する厚生労働省の医政局に言及して「医政局の専門家と称する人たちには先端的なことはできない」などと指摘。そのうえで「存在が邪魔になるなら、解体しなければならない」と強調した。視察先の医療関係者から、厚労省医政局に権限が集中しすぎているとの意見があったことを踏まえて「物事を進めると責任問題が出てくるから、何もしようとしない」と非難した。

政府が5月に具体策をまとめる予定の「新しい公共」を巡っては、NPO(非営利組織)の事業に融資する金融機関の必要性を訴えた。具体例として貧困層に少額の資金を無担保で融資する「マイクロファイナンス」で知られるバングラデシュのグラミン銀行を挙げ、その日本版のような仕組みが重要と語った。

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外国人医師診療に慎重。(2010/03/23 日本経済新聞)

長妻昭厚生労働相は23日の閣議後の記者会見で、仙谷由人国家戦略相が日本の医師免許を持たない外国人医師が診療できる制度改正を検討すると発言したことについて「課題の一つだが、具体的にどういう場面で必要性が出るかなど論点整理が必要だ」と慎重な考えを示した。

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インドネシア人介護福祉士/「日本語に不安」5割/厚労省調査(2010/03/25 朝日新聞)

経済連携協定(EPA)に基づき介護福祉士を目指すインドネシア人について、受け入れ施設の研修責任者の5割が、「日本語でのコミュニケーションがうまくいかず、問題が生じた」と考えていることが、厚生労働省が24日に公表した調査結果で明らかになった。利用者からは好意的に受け入れられている一方、日本語習得への支援の必要性が浮き彫りになった。調査は、今年1月〜2月、インドネシア人を受け入れている全53施設に調査票を配り、39施設計528人から回答を得た。

コミュニケーションがうまくいかず問題が発生したと答えたのは、研修責任者の50%、同僚職員の24・6%に上った。利用者の話で理解できないことを放置する、などがあげられた。

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インドネシア人の介護サービス/利用者の9割超「評価」。(2010/03/25 日本経済新聞)

厚生労働省は24日、2008年度から受け入れを始めたインドネシア人の介護福祉士候補者の実態調査結果を公表した。インドネシア人による介護サービスを受けた利用者の9割超が「評価できる」と肯定的に回答した。ただ介護施設などからは「候補者を受け入れる経済的な負担が大きい」との声も出ている。日本語教育の公的支援の充実などが課題になりそうだ。

調査は08年度に来日したインドネシア人を受け入れた全53施設を対象に、今年1〜2月に施設長や職員、利用者などから意見を聞いた。39施設の528人が回答した。

インドネシア人の働きぶりを「高く評価できる」と回答した利用者は79%、「おおむね評価できる」は16%だった。
※厚生労働省HP インドネシア人介護福祉士候補者受入実態調査の結果について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000054my.html

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ニュースUP/海渡ってきた介護福祉士候補生/阪神支局・池内敬芳(2010/03/24 毎日新聞 大阪)

◇笑顔の挑戦「せめて2回」
日本で介護福祉士の資格を取ろうと、インドネシア人のトゥリユリアンティさん(24)は、兵庫県伊丹市の特別養護老人ホーム「あそか苑」で働きながら試験勉強に励んでいる。来日から1年7カ月たち、日本語の日常会話も達者になり、入所のお年寄りからは「ユリちゃん」と親しまれるようになった。受験まであと1年10カ月となったが、チャンスはその1度だけなのだ――。

■お年寄りの自慢
ユリさんは深くしゃがみ込み、車椅子のお年寄りと目の高さをそろえた。歌いながら体を動かす体操の時間。「♪たき火だ、たき火だ、落ち葉たき♪」。大きな声で歌いながら両手を広げたり、胸の前で合わせたり。体をあまり動かせないお年寄りには、手を取ってゆっくりと揺らす。もちろん、笑顔を絶やさない。これがいい笑顔なのだ。

「ユリちゃんは、みんなの人気者。可愛いでしょう」。取材に訪れた私に、お年寄りがまるで自分の娘か孫のように彼女を自慢した。「勉強熱心よ。初めのころ、言葉がおかしかったから『こういうんよ』って注意したのよ。そしたら、ちゃんと聞いてくれて上手に話せるようになったんよ」

ユリさんが勤めるあそか苑には90人が入所し、40人の職員がいる。それでも介護職は忙しい。午前9時のシーツ交換に始まり、掃除、さらに入所者に水分をとってもらい、足をマッサージする。食堂に行くのを手伝い、昼食の介助。午後からは入浴、夕食の手助けが続く。

夜勤はないが、地元の小学校で開かれる外国人向け日本語教室に通うなど休日も含めて語学に懸命だ。

当初はもっと大変だった。関西弁がわからない。「『あなたイヤイヤ、日本人呼んで』って言われたことがある」。でも、笑顔がお年寄りの心を解きほぐした。「その人が『あなた優しいね、妹みたい、娘みたい』と言ってくれた。とってもうれしかった」

ユリさんは祖父母を早くに亡くし、物心がついて以降、お年寄りと同居したことがない。「私のおじいちゃん、おばあちゃんも、こんなだったかなあと思って介護している」と話す。一番うれしかったのは名前を覚えられた時という。「ほかのスタッフには『おねえちゃん』と言っている人が『ユリちゃん』と言ってくれた。私のこと好きと思った」

■医学用語次々と
首都ジャカルタの出身。看護学校を卒業し、看護師として働いていた時、日本がインドネシアとフィリピンの看護師らを受け入れる制度ができた。経済連携協定(EPA)に基づくもので、日本で看護助手か介護職員として働きながら、看護師か介護福祉士の国家試験を受験できる。両国の842人が滞在している。

ユリさんのような介護福祉士候補生も本国の看護学校を卒業していることが前提だ。来日から4年以内に合格すれば、資格を生かして日本で働くことができる。ただし、受験するには3年の実務経験が必要で、受験できるのは1回だけだ。不合格だと帰国しなければならない。

ユリさんは、EPAの「第1陣」として08年8月に来日した。「なぜ日本に?」と私が聞くと、いたずらっ子のように笑いながら「ドラえもんに会えると思った」。びっくりした私に「日本にはいいイメージがあった」と説明した。姉が日本人と結婚し東京に住んでいるのだ。「給料も高い」とも言った。

神戸大学大学院医学研究科感染症センター(神戸市中央区)の川端真人教授が毎週火曜日の夜、介護福祉士の受験対策として同大学で開いている勉強会にユリさんも参加する。「褥瘡(じょくそう)は長期間の臥床(がしょう)などでの同一部位の持続的圧迫による血行障害を原因とする。褥瘡は骨突出部にできやすい」。医学用語が次々と出てくる難しい参考書を川端さんがゆっくりと読み上げていくと、ユリさんらは読み仮名のない文章を目で追っていく。

川端さんは、ホワイトボードに「褥瘡」「臥床」などの単語を大きく書いて、その意味を説明する。ユリさんらが難しそうな顔をすると英語を交える。難しい文章ですねえ。私の感想に、川端さんがこう答えた。「彼女らは本国で看護師の資格を持っているから、内容については理解しています。これからは試験に出そうな文章をどんどん読んで、慣れることが大切です」

■国の姿勢「疑問」
EPAに対し、施設側からは、さまざまな批判が出ている。日本語研修費や手数料として1人60万円近い負担を施設側がしなければならない。賃金は日本人と同じなのに厚生労働省令の定める必要な職員数にカウントされない。何をどの程度研修すればいいのかを示すプログラムがない。「国は合格させる気がないのでは」と疑う人もいる。

あそか苑は、ユリさんに続いてインドネシア人とフィリピン人を次々と受け入れ、今は5人いる。副苑長の河原至誓(ゆきちか)さんは「お年寄りへの接し方はとても優しくて、日本人職員にいい刺激を与えている」と評価が高い。

それでも受験のあり方については「日本人ならば、入試などで身についている受験のテクニックがあるが、彼女らは初めて。せめて2回受けさせてほしい。場慣れも必要」と訴える。ユリさんも「1回だけ、と考えるとドキドキする。もう1回チャンスがほしい」と言う。

そんなユリさんが、ほっとできるのが古里にいる家族との会話だ。2日に1度電話するという。「さみしいって、お母さんに言ったら、『今は大変だけど、将来いいことがあるから頑張って』って言ってくれる」。肉親の励ましがユリさんの笑顔を支えている。

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インドネシア→日本/「介護福祉士」目指し/中/受け入れ、負担重く/山形(2010/03/30 毎日新聞)

◇日本語教育や手数料
「『今度遊びに来て』と言われても、その通り受け止めては駄目。『○月○日に来て』と言われればそれは本当。建前と本音がある」。山形市の特別養護老人ホーム「ながまち荘」のインドネシア人介護福祉士候補、アグンさん(25)とドゥイさん(24)は、インドネシアから来日して10年以上の門脇エニータさんの説明にうなずく。

生活習慣だけでも、理解は一苦労。日本語の習得となると、なおさら大変だ。「『むしろ』の意味は何?と聞かれて困った。毎日教えるのはきついが、何とか合格のために時間を空けている」。2人に毎日1時間日本語を教える岩崎勝也介護支援専門員は、そう苦労を語る。岩崎さんは今まで外国人に日本語を教えた経験はゼロだ。

日本での就労が決まったインドネシア人は、施設で働く前に6カ月間の語学研修を受ける。しかし、施設に来た後の日本語教育については「漢字の練習帳を配布するなどしているが、それ以上の日本語教育は施設に任せている」(仲介する国際厚生事業団)のが現実だ。

最初の6カ月間の語学研修にしても、厚生労働省は「大半の研修費用は国が負担している」と説明するが、1人当たり36万円は施設側の負担だ。ながまち荘は、その他、受け入れ手数料35万円▽家財道具約16万円▽受け入れのためのガイダンス参加料約7万円――などで既に2人の受け入れ準備に約160万円を要した。ながまち荘は、今後も2人に、日本語学校などでの本格的な日本語レッスン年間約60万円や、介護福祉士取得のための予備校代約40万円などの出費が必要だとみている。

厚生労働省福祉基盤課は「施設からの指摘も受け、10年度からは日本語学習の費用として1人年間23万5000円を新たに助成する」と説明する。これほど負担があるにもかかわらず、ながまち荘が2人を受け入れたのは「介護福祉士に合格できるノウハウを構築することが目的。指導を通して職員の質も高まる」(峯田幸悦荘長)のが理由だ。とはいえ「相当の人的、経済的余力があり、意欲のある施設でないと、受け入れはままならないのでは」と峯田荘長。施設側の利点がなければ、外国人介護福祉士受け入れは絵に描いた餅だ。

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フィリピン人看護師候補/2年目は126人どまり (2010/03/31 01:06 朝日新聞速報ニュース)

日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)に基づいて日本に派遣されるフィリピン人看護師・介護福祉士候補の数が、2年目となる今年は計126人にとどまり、昨年の派遣数を大きく下回ることがわかった。日本側の求人が低調だったことが原因だが、2年間の派遣数は、EPAで決めた上限千人の半数にも満たない見通しになった。

フィリピンの海外雇用庁と日本の国際厚生事業団によると、先月にマニラであった候補者の面接後に3度にわたり選考があり、30日までに看護師候補51人、介護福祉士候補75人の受け入れが決まった。

昨年のフィリピンからの派遣数は計310人。今後、日本国内の介護福祉士養成施設で学んで資格取得を目指す「就学コース」(上限50人)の選考もあるが、あわせても昨年の派遣数を下回る。

候補者は来日後、働きながら日本語で国家試験を受け、在留期間内に不合格なら、帰国しなければならない。候補者と施設にとって負担は大きく、こうした実情が知られるようになったことや不景気の影響などで、日本の施設からの求人数は今回、149人にとどまっていた。

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外国人介護士マニュアル/静岡県が全国初作成/英語版の参考書も(2010/04/02 シルバー新報)

静岡県はこのほど、経済連携協定(EPA)による外国人介護福祉士候補者の受け入れを支援するため、「日英2カ国語対応介護記録システム」や「英語版試験対策本」、施設向けの「外国人介護職員受入マニュアル」を作成した。全国初の取り組み。県内の介護現場ではEPA候補者だけでなく、多くの在日外国人が働いている。

県は今後は一層外国人労働力が必要になると見て、支援ツールなどで介護現場への受け入れを積極的に進めていく考えだ。

受け入れ施設への支援策としては、「外国人介護職員受入マニュアル(EPA版)」を作成した。フィリピン人候補者を実際に受け入れている施設職員が中心となって執筆。外国人登録などの各種手続き、ごみの出し方などの生活上のルールや仕事上のルールの教え方、介護業務の指導手順などのほか、フィリピン国内の介護事情や国民性についても解説し「プライドが高いので人前ではしからない」など具体的な留意点も盛り込んでいる。

外国人介護士にとって最大のハードルは、日本語による介護記録の作成だ。開発した「介護記録システム」には、ケア記録・ケアプラン・申し送り・バイタルサインの4つのメニューがあり、英語の例文を選択して日本語で記録することが出来る。備考欄には英語での任意の記述を翻訳する機能も。画面上では日本語と英語が併記されるため、日本語学習にも役立つという仕組みだ。

また、介護福祉士国家試験に向け基礎的な知識を修得するための英語版の参考書も作成した。09年9月の補正予算で3400万円を計上。県社会福祉施設経営者協議会に委託して開発・作成した。今後、県内に約200施設ある特養ホームなどに無償配布する。

昨年9月の調査によると、県内ではEPAに基づくフィリピン人12人、インドネシア人2人を含む82人の在日外国人が介護施設で就労している。今回作成した支援ツールは、主にはフィリピン人向けだが、インドネシア人候補者にも応用可能。県介護保険室は「県内に多い在日ブラジル人向けにもアレンジし、介護現場への就労につなげていきたい」と話している。

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足利赤十字病院/看護師合格のフィリピン人エバーさん、職員に/栃木(2010/04/02 毎日新聞)

経済連携協定(EPA)に基づき来日し看護師国家試験に合格したフィリピン人のエバー・ガメド・ラリンさん(34)の勤務する足利赤十字病院(小松本悟院長)で1日、入社式が行われ、エバーさんが正規職員として辞令を受けた。

入社式には新規採用される医師や看護師など計134人のうち111人が出席。小松本院長は式辞で「昨年10月、フィリピンから看護助手として勤務するエバーさんがわずか半年で合格した」とたたえた。エバーさんは緊張した様子で辞令交付を受けた。配属は救命救急病棟の「さくら病棟3階」となった。

入社式後、エバーさんは「大変うれしいです。救命救急センターでは、いろんな病気の患者さんが来るので勉強になると思う」と抱負を語った。また、他の外国人看護助手へのアドバイスとしては「勉強を続ければ合格できる。毎日、漢字を10字ずつ覚えるなど目標に向けて頑張ってほしい」と答えた。

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産業構造審が医療・文化支援戦略/外国人取り込み成長促進(2010/04/06 FujiSankei Business)

経済産業省は5日の産業構造審議会の部会で、医療・介護産業と、アニメやファッションなどの文化産業について、今後の支援戦略を公表した。外国人を取り込み、市場を活性化させるために、クリエーターや外国人患者の在留資格の見直しを提言している。政府の新成長戦略に反映させる。

国境を越えて優れた医療機関に受診する「医療ツーリズム」が世界的に注目され、心臓病や前立腺がん手術などで高い実績を持つ日本の医療機関への関心が高いが、日本では、ほとんどの外国人患者が観光や商用などの短期ビザで滞在しなくてはいけない。

このため、長期間の滞在が必要な合併症の治療や、何度も病院を訪れる必要がある手術後のケアなどが受けにくい状況にあり、経産省は、出入国管理及び難民認定法の在留資格を見直す。「医療滞在ビザ」を新設し、治療内容に合わせた滞在ができるよう検討する。

医療通訳の育成など国内の環境整備も併せて進め、産業育成の障害を取り除きたい考えだ。

一方、文化産業に関しても、就業ビザの取得条件の緩和を狙う。従来は一定以上の学歴や実務経験が要求されてきたが、創造性が問われる文化産業の制作力を、学歴を中心に判断することに疑問の声があった。

そこで、経産省は「日本を世界のコンテンツビジネスの活動拠点にしたい」との目標を掲げ、条件緩和で優れたクリエーターを呼び込む。日本企業の海外進出を支援する「コンテンツ海外展開ファンド」や、中国など海外で情報収集や日本作品の売り込みを行う活動拠点「J−Cafe」も設置し、支援戦略につなげる。

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EPA/派遣の看護師候補らに面接/インドネシアで(2010/04/07 毎日新聞)

日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づいて日本に派遣されるインドネシア人看護師と介護福祉士候補者への面接が6日、ジャカルタで始まった。今年で3回目。面接は5日間行われ、日本側窓口機関の国際厚生事業団によると、インドネシア側の選考を通過した看護師候補121人と介護福祉士候補179人の計300人が参加する。

先月26日に合格発表があった日本の看護師国家試験では、EPAに基づき日本の病院で研修中のインドネシア、フィリピン人受験者254人のうち、合格者は3人。合格率はほぼ1%で、難解な医療用語など日本語の壁が問題になっている。

面接を受けたマーガレットさん(23)は「国家資格取得が難しいことは聞いている。特に漢字を勉強してぜひ合格したい」。「日本での給料が魅力」と語るアグンさん(28)は昨年に続き2度目の挑戦。今の給料は月100万ルピア(約1万円)以下。「日本語の学校に通い、日本語の本を読んだり映画を見て勉強している」と話した。今年の日本側の受け入れ希望は看護師と介護福祉士を合わせて計149人(65法人)。

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日本の介護福祉士に/フィリピン人女性、玉野の学校に入学/岡山県(2010/04/06 朝日新聞)

介護福祉士を目指すフィリピン人女性が5日、玉野総合医療専門学校(玉野市築港1丁目)に入学した。2年間勉強し、卒業できれば、晴れて資格が取れるという

ミンダナオ島出身のアービーストンド・ピンキー・プラザさん(32)で、同校介護福祉学科に入学した。本国でも看護師の資格を持ち、病院勤務の経験がある。

日本・フィリピン経済連携協定(EPA)に基づき、日本で介護福祉士の資格をとる「就学コース」に応募し、1期生として昨年9月に来日。約半年間、横浜市で日本語や日本の生活習慣について学んだ。今年度、全国6カ所で学び始めた27人の1人だ。

アービーストンドさんは、母国の同僚がすでに岡山で実習していることが縁で、同校を選んだ。岡山市で生活しながら通学するといい、「日本語は難しいが、一生懸命に勉強したい。フィリピンでは仕事も給料も少なく、家族のために来た。(将来は)長期的に日本で働ければ」と笑顔を見せた。

玉野総合医療専門学校は、学費の一部を免除し、語学の支援も続ける。高井研一校長は「医療や福祉での国際交流は方針の一つ。今後も入学者が続いて、日本人学生の国際的な視野が広がれば」と話す。

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[社会保障安心]外国人看護師受け入れ/日本語の壁なお高く(2010/04/06 東京読売新聞)

◆国家試験合格1.2%/相次ぐ事業見直し提言
EPA(経済連携協定)に基づくインドネシア、フィリピン人看護師候補者の受け入れ事業で、3人が初めて国家試験に合格した。介護福祉士候補者とともに病院や介護施設で働き始めて1年。医療や介護の現場で3人の合格をどう受け止めたか。改めて課題を探ってみた。

■1週間で1ページ
「合格率はたった1・2%。心配した通り、やはり日本語能力が不足していたのではないか」。先月26日に発表された看護師国家試験の結果に、大阪府枚方市の佐藤病院の佐藤真杉(ますぎ)理事長は、徒労感にかられた。受け入れ事業は2008年度から始まった。候補者が試験を受けるのは今年で2回目。昨年は82人全員が不合格だった。今年初めて合格者を出したことで、関係者は胸をなで下ろしたが、不合格者は251人。インドネシア第1陣の98人はあと1回不合格になれば帰国しなければならない。

「佐藤病院」では、イダ・アユ・マデ・ジュリアンタリさん(27)ら2人が働いている。試験対策は病院の責任。ノウハウもなければ、インドネシア語に訳された教科書もない。日本語のテキスト1ページを学ぶのに、専門用語を辞書で調べながら1週間もかかる。

インドネシアには、公的な医療保険や介護保険制度がない。日本語指導のボランティア板岡順一さん(58)は「試験の出題範囲だから国民健康保険など3種類の医療保険があることを教えたが、違いが理解できないようだ」と、もどかしさを隠さない。

イダ・アユさんはインドネシアで4年間、病院に勤務した看護師。学歴も高いものの、日本でその実績が通用しない。「インドネシアでは感染症や盲腸の患者が多い。認知症の高齢者はほとんど見たことがない」と明かす。教育担当の芳野友美看護師長は「試験はあと1回。頑張らなければ」と気を引き締めた。

■働きぶりは評価
では、その働きぶりはどうか。東京都武蔵村山市の老人保健施設「アルカディア」。インドネシア人介護福祉士候補者のモリナ・メリナ・ロス・タンブナンさん(23)は、休み時間になっても食事の介助を続ける。利用者からの評判も上々で、介護主任の小松愛美さん(31)は「丁寧な言葉遣いも私たちの模範。いい刺激です」と評価している。

ところが、今年度は受け入れを望む施設が激減した。看護師の求人が139人、介護福祉士は189人。いずれも前年度に比べて6割も減った。施設側の教育負担が大きいうえ、介護現場では、景気低迷で日本人の就職希望者が増えたためとみられる。

モリナさんが、2年後に受験する介護福祉士の国家試験は、日本人でも合格率が50%だ。週に3〜4日2時間ずつ日本語を習うが、合格レベルには遠い。「アルカディア」の木村恒人施設長は「今の試験のままでは候補者が全員落ちて、受け入れ計画が失敗する恐れさえある。日本人と同じ試験に合格しなくても、十分に働ける」と強調する。

■政府が支援開始
こうした実態を踏まえ、事業の見直しを求める提言も相次いでいる。

日本病院会など4病院団体協議会では先月、〈1〉本国での十分な日本語教育〈2〉在留期間を延長し、国家試験の受験機会を増やす――などの提言を国に提出。

支援団体「ガルーダ・サポーターズ」も、試験時間の延長など「日本語のハンディキャップに配慮した特別な措置」を求めた。

試験問題には、床ずれを意味する「褥瘡(じょくそう)」や、飲食物が気管に入る「誤嚥(ごえん)」などの専門用語が含まれる。日本人でも読めそうにない。長妻厚生労働相は「難しい用語を易しい言葉に言い換えられないか、(試験問題を作る)試験委員会で検討してもらう」と、見直しを示唆している。ただ、言い換えだけでどれだけ合格者を増やせるかは不透明だ。

政府は、現在の枠組みで合格者を増やすため、日本語能力向上の支援に乗り出した。今年度から、日本語教師の派遣経費などを施設側に助成する。受け入れを仲介する国際厚生事業団も先月、試験対策用のテキスト3種類を受け入れ病院に配った。

同事業団では「病院側が予想以上に苦労し、焦っている。何とか支援したい」と説明している。

◆介護施設人手不足に備え「職員の待遇改善が先」の声も受け入れ事業に関し、政府は「看護、介護分野の労働力不足への対応ではない」と強調するが、厚労省によると、インドネシア人を受け入れた介護施設のうち、5割が「人手不足の解消」を理由に挙げていた。政府の推計では、高齢化の影響で2007年に約124万人だった介護職員は、25年には212万〜255万人が必要になる。全国老人福祉施設協議会は「近い将来、日本人だけでは人手を賄えなくなる。今のうちに人材養成システムを作りたい」と前向きだ。

一部自治体も受け入れ促進に動いている。横浜市は市内の介護施設で働く約40人の介護福祉士候補者の人件費の補助や日本語教育の充実のため、今年度7139万円の予算を計上した。市内の施設は慢性的な人手不足。担当者は「外国人受け入れが解禁された時、すぐに対応できるよう、施設にノウハウを蓄積してもらいたい」と狙いを説く。

日本大の塚田典子教授(少子高齢社会論)は「介護現場に人手が不足する以上、外国人の受け入れは避けて通れない。どう受け入れるか議論する時期に来ている」と指摘する。

これに対し、慎重論も根強い。介護福祉士の有資格者は約81万人。だが、日本介護福祉士会の推計では、子育てや労働条件の悪さなどから約35万人が現場を離れている。同会の石橋真二会長は「待遇改善が先。外国人を安価な労働力で受け入れれば、介護職の待遇は悪くなるばかりだ」と語る。

政府の推計では、約137万人(07年)いる看護職も、25年には170万〜206万人が必要になる。日本看護協会も「看護職の確保対策は、離職防止が基本だ」と主張している。

◆27 在留資格の種類
日本に入国する外国人は、活動内容などに応じて在留資格が定まっている。在留資格は27種類。このうち、就労の資格は「外交」「公用」を含め、「技術」「投資・経営」「人文知識・国際業務」「興行」など16種類だ。これ以外に、「日本人の配偶者等」「永住者」などの資格があれば、就労内容に制約はない。「留学」「就学」などの資格を持つ外国人も、限られた時間内ならアルバイトが認められている。

在留資格には「医療」もある。これまでに日本の国家資格を取得した看護師が働いているが、就労年数は7年以内に限られている。「介護」に関する在留資格はない。

EPAで来日したインドネシア、フィリピン人は「特定活動」の在留資格を持つ。国家試験に合格した後は、この在留資格(上限3年)を更新すれば期限なく日本で働ける。

◆EPA(経済連携協定)
特定国間で、人的交流を含む経済交流を行う協定。日本はインドネシア、フィリピンと看護師、介護福祉士候補者の受け入れで合意。現在、840人が国内で働いている。看護師候補者は3年以内、介護福祉士候補者は4年以内に国家試験に受かれば国内で働き続けられる。ベトナムとも看護師、介護福祉士の受け入れで、タイとは介護福祉士でそれぞれ交渉中だ。

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外国人看護師の研修/指示伝達「支障」15%(2010/04/09 産経新聞)

経済連携協定(EPA)に基づいて来日したインドネシア人看護師候補者について、候補者を受け入れた施設の研修責任者の15%が指示の伝達に支障を感じていたことが8日、厚生労働省の調査で分かった。厚労省は「日本語の課題が改めて浮き彫りとなった。日本語学校に通いやすくするなどの支援策を講じたい」としている。

調査は看護師候補者の第1陣として平成20年9月に来日したインドネシア人を受け入れた47施設に対して実施。国家試験を受けるまでに行う医療現場での就労状況を聞いたところ、36施設の施設長や研修責任者551人から回答が得られた。

調査によると、業務の指示に対する理解について、27・6%の研修責任者が「問題ない」とした一方、13・8%が「一部支障がある」とし、「ほとんど理解できない」との回答も1・7%あった。

意思疎通がとれないことで問題が生じたケースも目立ち、職員の約3割、患者とその家族の約2割で「問題があった」と答えた。

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<厚労省調査>インドネシア人看護師候補/患者は好意的評価(2010/04/08 毎日新聞速報ニュース)

厚生労働省は8日、経済連携協定(EPA)に基づき入国したインドネシア人看護師候補の就労実態に関する調査結果を発表した。患者にコミュニケーションについて尋ねた質問では、「特に問題なく意思疎通ができる」が41%、「時々話が通じない時はあるが、ゆっくり話せばおおむね伝わる」が38%で続き、患者からは好意的な評価が多かった。

調査は初めてで、08年度に来日した第1陣を受け入れた47施設を対象に今年2月実施。36施設の職員、患者ら551人から回答があった。業務内容は食事や排せつの介助、患者の移送など。

職員に対し、コミュニケーションがうまくとれずに問題が生じた事例の有無について聞いた質問では、対職員26%、対患者や家族の17%で「ある」と回答した。具体的には「入浴患者の迎えを指示したが、迎えに行かず入浴できなかった」「患者や家族に早口で言われると理解が難しく、看護師が再度聞きに行くことがある」など。

受け入れによる仕事への影響は、「勉強になった」などの理由で職員の63%が「良い影響があった」と回答した。「患者や家族から苦情を受けた」などとして18%が「悪い影響があった」と答えた。

厚労省看護課は「現場ではおおむね好意的に受け止められているが、日本語での深いコミュニケーションは不十分」としている。

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「医療観光」の規制緩和/戦略相が検討要請/来日患者に長期ビザ。(2010/04/15 日本経済新聞)

仙谷由人国家戦略相は14日、医療観光に関連した規制緩和の検討を前倒しするように枝野幸男行政刷新相に要請した。特定地域で規制を緩和・撤廃する構造改革特区に、税制優遇や補助金を組み合わせた「総合特区」の検討を急ぐことも求めた。いずれも政府が6月にまとめる新成長戦略の柱とする意向だ。医療観光はアジアなど海外の富裕層に日本の医療機関で診療を受けてもらうことをめざす。来日した外国人が診療を受ける場合、最長90日間の短期滞在ビザで対応できない可能性があるため「医療滞在ビザ(仮称)」の創設を検討する。外国人医師の国内診療を認める規制緩和も課題になる。6月初めに予定する結論の前倒しも検討する。

政府の行政刷新会議の規制・制度改革分科会が同日開いた会合でも、医療観光を取り上げる方向となった。ほかには混合診療の解禁、農業生産法人の要件緩和、農協への金融庁検査・公認会計士監査などを主な検討課題にする方針だ。

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EPA/インドネシア公使、初合格の看護師2人を激励/三条/新(2010/04/15 毎日新聞)

駐日インドネシア公使のロニー・ユリアントロ氏が14日、経済連携協定(EPA)に基づいて来日し看護師の国家試験に3月、初めて合格したヤレド・フェブリアン・フェルナンデスさん(26)とリア・アグスティナさん(26)が勤務する三条市本町の三之町病院を訪問し、激励した。

ロニー公使は2人の手を握り「おめでとう。もうインドネシア語は忘れてしまっていますか」と冗談を交じえ労をねぎらった。フェルナンデスさんは「もともとの夢がかなってうれしい」と笑顔。リアさんは「ここまで来られたのは病院の皆様のサポートのおかげ」と感謝の思いを語った。

2人は同病院の脳神経外科で患者のケアなどにあたっている。

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<仙谷担当相>「介護福祉士試験を柔軟に」認識示す(2010/04/19毎日新聞速報ニュース)

仙谷由人国家戦略担当相と枝野幸男行政刷新担当相は19日、神奈川県海老名市の養護老人ホームを訪れ、経済連携協定(EPA)に基づき来日中の、インドネシア人介護職員と面会した。仙谷氏は介護福祉士の国家資格試験について「コミュニケーションと技術さえしっかりしていれば問題ない」と述べ、ひらがなでの受験を認めるなど柔軟に対応すべきだとの認識を示した。日本はEPAにより、インドネシアとフィリピンから看護師、介護福祉士の候補者を受け入れているが、日本で働き続けるためには、3年以内に国家資格を取得する必要がある。

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看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN)2017年 1月〜11月号

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