トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2010年4月 第112号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

インドネシア人候補270人/看護師試験を受験(2010/02/22 産経新聞 東京朝刊 3ページ)

看護師の国家試験が21日、全国で一斉に行われ、経済連携協定(EPA)に基づき来日したインドネシア人の看護師候補者の約270人が試験に挑戦した。うち約100人は平成20年に来日した候補者で、帰国までの受験チャンスは今回を含めてあと2回。昨年合格者がいなかったことから、3月26日の試験結果の発表に注目が集まる。

インドネシアの看護師候補者は約半年の日本語研修を積み、全国の病院で働きながら国家試験に向けて勉強を続けてきた。しかし、医療の専門用語には難しい漢字も多く、候補者は臨床研修より日本語の勉強に多くの時間を割いている。

国は候補者に国家試験合格に向けた十分な教育プログラムを用意しておらず、教育は受け入れ側の病院や施設に「丸投げ」されているとして現場からは「国がもっと細やかなサポートをすべきだ」などの不満も聞かれる。

【用語解説】インドネシア人の看護・介護現場受け入れ政府はインドネシアとのEPAを踏まえ、看護・介護現場への人材受け入れを決めた。来日した570人は一定の専門知識はあるが、看護師候補で3年、介護福祉士候補で4年の滞在中に国家試験合格が課される。不合格なら帰国しなくてはいけない。昨年2月に看護師候補82人が受験したが、合格者はゼロだった。

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【日本で働きたい インドネシア人看護師の挑戦】(中)「出稼ぎじゃない」 (2010/02/23 産経新聞 東京朝刊 24ページ)

「出稼ぎに来たのではない。最先端医療の勉強に来たのです。それを分かってほしい」。インドネシア人の看護師候補者、ルシィ・フィトリアニさん(30)は、流暢な日本語で訴える。

ルシィさんは外国人看護師候補者の第1陣として、平成20年9月に来日。神奈川県秦野市の鶴巻温泉病院で介護士の仕事をしながら、日本の看護士資格を得るために猛勉強を重ねてきた。

「日本の先端医療を学びに来た」というルシィさん。高い志と、試験勉強に追われる現実との間に、困惑を持っている。「日本の医療現場で働くには、漢字が重要なことはよく分かりますが、こんなに勉強に追われるなんて…。このままでは、インドネシアで培ってきた看護の知識もなくしてしまうのではと不安です

インドネシアから来日した看護師候補者は計277人。インドネシア政府の厳しい選考をくぐり抜けたエリート看護師ばかりだ。

在インドネシア大使館などによると、初年度は約200人の求人に対し、1千人を超える看護師が応募。学校の成績や医療現場での実績などをふまえ、政府が面接で大幅に人数を絞った。

ルシィさんもインドネシアでは看護の専門学校、大学の両方を卒業。スマトラ島の総合病院で看護師として3年間の臨床経験を積んでいる。

日本の国家試験に合格し、日本で看護士として十分な経験を積んだ後には、こんな夢を持っている。

「帰国し、インドネシアの医療を先進国並みにしたいのです」経済発展が著しいとはいえ、妊産婦死亡率が10万人あたり334人(日本は5人以下)といわれるなど、インドネシアの保健事情は、ルシィさんらの力を必要としている。

しかし、実際の日本では、看護士の国家資格がなければ注射やたんの吸引といった医療行為は一切できない。現在、任されている仕事はおむつの交換や車いすの介助など、母国で経験のない介護の仕事ばかり。「国の仲間たちがこうしている間にも、現場で経験を積んでいると思うと、いてもたってもいられない」と不安を隠さない。すでに、来日した仲間の中には「看護の仕事ができると聞いていたのに、説明と違う」と帰国する事態もおきている。ルシィさんは、「さまざまな形で看護の仕事に関わらせてもらっており、私はほかの仲間よりとても恵まれている」と話す。

鶴巻温泉病院では、ルシィさんの看護師としての経験や誇りに傷が付かないよう、介護士の仕事とは別に、看護師の指導者を付けて日本の看護の仕事について教えている。また、血看護師の仕事を見学する時間も多く取り入れている。

「来日したからには一人前の看護師として10年は経験を積みたい。そして胸を張って日本の医療をインドネシアに持ち帰りたい」

現在、日本とインドネシアで結ばれている協定では、看護士国家試験の受験チャンスは3回。不合格なら、帰国しないといけない。「もう少し勉強の時間をください」。ルシィさんはそう訴える。

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外国人看護師の国家試験/英訳の試験でも合格4割弱(2010/02/28 03:48 朝日新聞速報ニュース)

日本との経済連携協定(EPA)に基づき来日し、看護師として働くために研修中のフィリピン人看護師候補者が、日本の国家試験を英訳した模試を受けたところ、合格基準に達したのは4割弱だった。協定では、3年以内に日本語で実施される試験を通らないと帰国しなければならない。英語や母国語での受験を認めるなどの配慮を求める声が上がっていたが、そもそもの看護事情や教育の違いも壁になることがわかった。

模試の結果を分析した産業医科大の川口貞親教授が27日、福岡市であった国際会議で公表した。

海外技術者研修協会と九州大が昨年2月の試験を英訳し、12月に実施。フィリピン人看護師候補者の第1陣として昨年5月に来日した93人中59人が受験した。

この国家試験の実際の合格率は89.9%だったが、模試で合格基準に達したのは35.6%の21人。うち12人は試験勉強でこの過去問題を見たことがあった。初めて問題を見た人の合格率は23.7%だった。候補者はいずれも英語で看護教育を受け、来日前に3年間の実務経験もあった。

この国家試験は必修と一般問題など合わせて300点満点で4択のマークシート方式。正答率が低かったのは、日本の社会福祉制度や、疾患の基礎的知識についての問題だった。

日本人と同じ問題が課されることに、将来の雇用を想定して候補者を受け入れ、支援してきた医療機関などからは「漢字の勉強が負担」「英語、母国語での受験を認めるべきだ」という指摘が多かった。だが、今回の模試の結果から、言葉に配慮しても、日本人と同レベルの合格率は遠いことがわかった。

模試を受けた第1陣は今月21日に1年目の国家試験に挑戦した。合格発表は3月26日。フィリピンに先駆けて2008年に来日したインドネシア人看護師候補者第1陣にとっては2度目で、不合格なら来年が最後の機会だ。

フィリピンでは日本のような高齢者医療よりも、周産期医療に重点が置かれる。インドネシアでは感染症が多いが、糖尿病などの生活習慣病は少ない。各国それぞれの医療事情の違いが、看護教育にも影響している。

川口教授は「各国で看護教育のカリキュラムは異なり、看護師に認められている処置の範囲も違う。本来なら、制度が始まる前に調べておくべきことだ。早く分析を進め、教育プログラムをまとめる必要がある」と話す。日本語や試験対策などの座学と医療現場での実務研修をどう進めていくかは、それぞれの受け入れ病院や施設にまかされている。初めての経験にとまどう現場からは「何をどう教えればいいかわからない。国として包括的な指針を作って欲しい」という不満も噴出している。

会議に参加したフィリピン大学公衆衛生学部のマリリン・ロレンゾ教授は、「協定による看護師候補者受け入れを続けるのなら、日本の病院内で国家試験をにらんだ訓練を充実させるとともに、国として模擬試験を開催するなど手当てが必要では」と話す。

厚生労働省は現場の声を受け、国家試験対策として、母国でなじみのない医療分野や日本語などを学ぶ指針を作成し、3月中に配布する予定だとしている。

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看護事情/母国と違い/医療レベルに差も/研修のフィリピン・インドネシア人 (2010/02/28 朝日新聞 朝刊 35ページ)

国の経済連携協定(EPA)に基づいてインドネシアやフィリピンから看護師候補者を受け入れている病院で、国家試験への対応をめぐってばらつきが出ている。国の明確な指針がないため、勉強と仕事の両立に頭を悩ませ、日本語学校に通わせる病院もあれば、「労働が前提」を貫く施設も。日本との医療レベルや受けてきた看護教育の違いによる課題も明らかになってきた。

昨年2月にインドネシア人の看護師候補者2人を受け入れた大分岡病院(大分市)は、日本との医療レベルや受けてきた看護教育の違いを感じているという。病院によると、2人が現地で使用していたテキストは救急などをテーマにした3冊だけだった。

候補者のマリア・ブリギタさん(26)は「母国では電子体温計は一般病棟ではほとんど使っていなかったし、日本の看護師は病棟を走り回っていて、やるべき仕事が多くて驚いた」という。

同様の指摘は、27日に福岡市であったEPA関係の国際会議でもあった。「インドネシアの病院では、患者さんの衛生面でのお世話などは看護助手がやっていた」。そんなインドネシアの介護福祉士の声が紹介された。日本では、看護師がお風呂の介助や尿の処理などをすることは普通にあることだ。

病気の知識についても、濃淡があるようだ。大分岡病院で先生役の看護師、小田雅恵さんは「インドネシアでは感染症患者が多く、日本に多い糖尿病などの生活習慣病について、専門的な知識がどこまで備わっているかは正直分からない」と話す。岡田八重子看護部長も「今の候補者のレベルは日本の准看護師に達するかどうかという関係者もいる」と打ち明ける。病院の候補者に母国語で模擬試験を受けさせたところ、日本語で受けた場合とは、わずか数点の違いしかなかったという。

もちろん、言葉の壁もある。「1年ぐらいで日本語の習得は出来ると思いこんでいた。我々の見込みが甘かった。とても国家試験には受からない」日本語の研修を6カ月受けたフィリピン人看護師候補者1人を、昨年10月に受け入れた飯塚病院(福岡県飯塚市)の須藤久美子看護部長はこう話す。今年1月から指導カリキュラムを大幅に変えた。

当初は、看護の現場に出来るだけ触れてもらった方が難しい医療用語も頭に入ると考え、午前中を病院勤務に充て、午後に日本語や国家試験の勉強をさせていたが、想像以上に日本語に戸惑うことが多かったため、この状況では国家試験に間に合わないと、午前中に福岡市内の日本語学校に通わせはじめた。宿舎も通学しやすいように飯塚から福岡市内に変えた。

候補者への投資は少なくないが、須藤看護部長は「フィリピンのナースは優秀。向上心が高く、日本スタッフへの刺激になる。何としても合格して残ってもらいたい」。

一方、同じく昨年10月にフィリピン人を受け入れた四国の病院では、勉強は労働時間外の自主学習に任せている。「現場の経験を積むためにも仕事が前提」との方針からだ。担当者は「詰め込み型の受験勉強を続けても、不合格で帰国を余儀なくされた時、彼らに何が残るのだろうか。学習材料はあくまで現場にあるはず」と話す。

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「将来日本で」半数以下/来日目指すフィリピン人看護師/50人アンケート (2010/03/03 朝日新聞 朝刊 6ページ)

経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士の受け入れで、今春から日本で就労することをめざしているフィリピン人看護師50人のうち、将来の第1希望の勤務地として日本を挙げた人が半数以下にとどまることが、朝日新聞社のアンケートでわかった。給与面や高い技術水準が魅力になっている半面、日本語での国家試験合格を課す現行制度が現地で敬遠されている実態が浮かんだ。

アンケートは、受け入れのあっせんを担う国際厚生事業団が2月、マニラ首都圏のフィリピン海外雇用庁で説明会を開いたのに合わせて実施。選考過程に残る106人(日本側の求人数は77人)のうち、会場で要請に応じた50人(女性が8割)に書面で尋ねた。平均年齢は33・9歳で、看護師の経験年数は平均7・1年。

外国での就労目的を4択で尋ねたところ、6割を超える32人が「よりよい給料を得る」、15人が「技術を磨くため」と回答。「国内に就労先がない」は1人で、「国際貢献」はゼロだった。

外国の就労先第1希望については23人が日本と答えたが、それを上回る24人が日本以外の国を挙げた。内訳は米国が18人と最も多く、カナダ5人、英国1人。来日希望の理由は、「他国に比べて技術水準が高い」が最多の20人で、「給与水準が他国より高い」は16人、「労働環境が他国よりよい」は6人だった。

フィリピンは人口の1割の約900万人が海外で働く。アンケートでも半数近い24人が海外での勤務経験があると答えた。自分の知識や公用語の英語を生かせるうえに給与水準も高いため、米国の人気が高い。ただ、看護師の4割近くが職につけない中、当面の就労先として日本を選択する人が増えているという。

フィリピン大公衆衛生学部のマリリン・ロレンゾ教授は「日本に対する就労希望が比較的低いのは、英語が通用せず、言葉を一から勉強して短期間で国家資格を取らねばならないから。日本が経験豊富で有能な看護師を獲得したいなら、現行の枠組みを改善する余地がある」と話す。

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インドネシア人看護師・介護士/志願者が激減/去年の3分の1以下に (2010/03/03 NHKニュース)

日本の医療や介護の現場で働くことをめざすインドネシア人の受け入れ事業が始まって、ことしで3年目となりますが、看護師などの国家資格の取得が容易ではないなどの理由で、インドネシア人の応募者数は、去年の3分の1以下と大きく減りました。

インドネシア政府は、今月1日までのおよそ1か月間にわたって、日本の医療や介護の現場で働くことを希望する人の募集を行いました。

その結果、看護師の志願者は149人、介護福祉士の志願者は353人のあわせて502人でした。

日本とインドネシアのEPA=経済連携協定に基づくこの事業は、3年目を迎えましたが、ことしは、1800人近くが応募した去年に比べ、3分の1以下と大きく減りました。

これは、日本語を習得して看護師や介護士の国家資格を取ることが、インドネシア側にとって当初の予想以上に難しいことなどが大きな理由となっており、看護師などとして働くことを希望する人は、クウェートやサウジアラビアといった中東諸国に行き先を変える傾向が強まっています。

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[教育ルネサンス]日本語を学ぶ(1)外国人の共生 言葉の壁高く(連載)(2010/03/03 東京読売新聞 朝刊 13ページ)

外国人との共生へ歩み始めた日本。日本語教育の体制整備が急務だ。飛沫(ひまつ)感染、滲出(しんしゅつ)液、吐瀉(としゃ)物……。日本人講師が漢字の書かれた紙を黒板に張った。「この漢字の読みを書いてください」。インドネシア人の男女が前に出て、次々に書いていく。

昨年12月24日、静岡県函南(かんなみ)町の研修宿泊施設、富士箱根ランド。経済連携協定(EPA)により、日本が2008年度に受け入れを始めた看護師・介護福祉士候補者インドネシア人2期生361人の研修が行われた。

日本で正式に就労するには、看護師候補者は来日3年以内、介護福祉士候補者は同4年目に国家試験に合格することが条件だ。このため、初歩から始めた日本語の研修では、専門用語など高度な内容にまで及んだ。

当初は全体の9割が日本語初心者だった。だが、朝8時から夜9時までの缶詰め講義に夜中までの自習体制のおかげで、日常会話はほぼ問題ないレベルになった。とはいえ、昨年度は、1期生の看護師候補者104人中82人が国家試験を受けたが、日本語という言葉の壁が立ちはだかり、全員不合格。全体の合格率は89・9%だった。

2期生で看護コースに参加していた女性、シスカ・ヌルメナサリさん(25)は「『骨折』など漢字が難しい。音読みに訓読みもある。母国で看護経験は2年あり、インドネシア語なら合格の自信はありますが、日本語での受験にはもっと勉強しないと」と日本語習得の難しさを語る。研修にあたった人材派遣・教育事業会社の担当者(49)は、「国家試験独特の読解力習得が課題。研修終了後は、個々のがんばりに期待するしかない」と話す。

「『認知症』と読めます、でも書くのはちょっと……集中研修中は漢字で書けましたが」と頭をかくのは、08年度来日の1期生男性、ディディ・スへディさん(25)。母国の看護大学を卒業後、半年間の事前研修を経て、昨年1月末から、奈良県天理市の老人保健施設「ならふくじゅ荘」で研修生として働いている。

仕事は週5日1日約7時間、入浴や排せつ、食事の介助などをしている。試験勉強は仕事の前後の計2時間半で。国家試験を受けられるのは、2012年1月、1回きりだ。

同施設では、ディディさんら研修生がインターネット学習を週3回、受けられるようにしたが、これだけでは試験合格は難しい、と急きょ施設スタッフによる週2日の学習指導も加えた。費用はいずれも施設の持ち出しだ。受け入れ責任者、岡田智幸さん(36)は「まず合格してもらいたい。日本を外国の人に助けてもらうのだから、施設お任せでなく、国は長期的・継続的学習支援を」と訴える。

現場の声を受け、国も来年度以降、日本語学校通学の費用補助、再度の集団研修開催など具体的支援に乗り出す。安里和晃(あさとわこう)京都大学准教授(39)は「日本語能力や日本の医療事情に不案内な人材に対し国家資格取得という要件を課しておいて、確実に取得してもらうプロセスが欠如しているのは人材の使い捨てと指摘されても仕方がない。受け入れの展望を明確にした上で支援体制を整備しなければならない」と話している。

◆公的な日本語教育 不十分
外国人登録者数は1969年以降年々増え、2008年末で約222万人に及ぶ。一方、国内の日本語学習者は約16万7000人(同年11月)。入国後の公的な日本語教育は、義務教育を除くとほとんどなく、長期滞在しても日本語の読み書きがきちんとできない外国人は少なくない。

文化審議会国語分科会日本語教育小委員会は、来日したばかりの外国人を対象に、最低3か月(60時間)の学習を想定した「『生活者としての外国人』のための日本語教育の標準的なカリキュラム」を作成中だ。ドイツでは1年以上滞在してもドイツ語能力の低い移民らに、600時間の語学教育を義務づけている。

文化審議会会長で日本語教育研究者の西原鈴子さん(68)は、「日本語を母語としない人の割合はいずれもっと高くなる。そのときに混乱を招かないためにも、長期的な展望を持った言語計画とシステムが求められる」と話す。

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[教育ルネサンス]日本語を学ぶ(1)外国人の共生 言葉の壁高く(連載)(2010/03/03 東京読売新聞 朝刊 13ページ)

政府が外国人看護師・介護士候補者の受け入れ制度の改善に乗り出す。経済連携協定(EPA)に基づくもので、日本語研修を充実させるなど、日本で働き続けられるように支援を強化する。外務省や厚生労働省などが、6月にまとめる政府の新成長戦略に盛り込む方向で調整している。

外国人看護師・介護士候補者は現在、インドネシアとフィリピンから計約850人を受け入れており、来年度も計1190人を上限に受け入れる方針だ。両国と締結しているEPAに基づく措置で、在留期間は看護師候補者が3年、介護福祉士候補者は4年となっている。

候補者はこの期間に日本の国家試験を受け、合格すれば働き続けることができるが、不合格なら帰国しなければならない。看護師候補者は毎年、計3回、受験できるが、介護士候補者は1回しか受験できない決まりだ。だが、試験は日本語で受けなければならないため、言葉の壁が一因となって、十分な合格者を確保できていないのが実情だ。昨年2月の国家試験では看護師候補者82人が受験したが合格者はゼロだった。受け入れ制度の改善はこうした状況を踏まえたものだ。

具体策としては、(1)来日前の日本語研修を充実する(2)1回しか受験が認められていない介護士試験の受験回数を増やす(3)試験会場への辞書の持ち込みを認める(4)寝たきりの人がおこす床擦れを指す「褥瘡(じょくそう)」など難しい漢字にふりがなをつける――などが検討されている。

現行制度によると、大半の候補者は来日後、6カ月間の日本語研修を受けた後、病院などで働きながら、看護や介護の資格試験に向けた勉強をする。現場では日本語の研修が足りないとの意見も多いため、来日前に現地で政府開発援助(ODA)を活用した日本語習得機会を設けることも検討中だ。現地の大学の日本語科などを活用する案が出ている。

2010年度予算案では、厚労省は外国人候補者への日本語研修などに前年度比10倍の8・7億円を計上した。政府がEPAに基づき、候補者の受け入れを開始したのはインドネシアが08年度、フィリピンは09年度。いずれも最初の2年間で最大1千人を予定していたが、これまでに来日したインドネシアの候補者はその6割。フィリピンからの09年度の受け入れ人数も283人にとどまった。

ただ、国家試験の運営などをどこまで見直すかは、政府内でも議論がある。外務省などは前向きだが、厚労省には慎重論も少なくない。例えば、外国人向けに国家試験を易しくすべきだとの意見について、厚労省は「現在の試験を合格できるだけの日本語レベルでなければ、かえって看護、介護の現場が混乱する」と反対している。

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外国人看護師・介護士/担い手増加へ/支援強化必要(解説) (2010/03/07 日本経済新聞 朝刊 3ページ)

政府は外国人の看護師・介護士候補者の受け入れ制度の改善に乗り出したが、雇用情勢の悪化で日本人の働き手を確保しやすくなった施設は外国人の採用を大幅に抑制しつつある。外国人が試験に合格し、日本で活躍できる能力を身につけられるよう政府によるさらなる支援が欠かせない。(1面参照)

外国人のあっせん業務を担う国際厚生事業団によると、日本の受け入れ施設からインドネシア人に対する2010年度の求人数は155人と、09年度から約7割減った。フィリピン人に対する求人数も10年度に190人と09年度の半分以下となった。フィリピン人の日本側への求職数も10年度は357人と09年度から3割強減った。実際の受け入れ実績も計画を大幅に下回っている。

外国人は日中は医療・介護の現場で働き、夜間に日本語と国家試験の勉強という過酷なスケジュールを迫られている。受け入れ側も「看護師がボランティアで夜間に日本語教育をするなど負担が大きい」との不満が強い。

インドネシア人を支援するガルーダ・サポーターズの宮崎和加子共同代表は「現在の制度では外国人が国家試験に合格できる可能性は極めて低い。公的な日本語学習支援を充実させるなどの制度改正が必要」と指摘する。

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外国人看護師・介護士/担い手増加へ/支援強化必要(解説)(2010/03/07 日本経済新聞 朝刊 3ページ)

昨年、国内病院を訪ねた外国人は6万人にのぼる。前年度より40%以上増えた。今年に入っても正月連休にソウル江南の整形外科は「春節」を迎えた中国人たちでごった返した。外国人患者は整形・歯科・皮膚科と漢方治療が大部分だ。しかし最近になってがん・心臓病・肝疾患など1億ウォン(約790万円)台の治療費を出す重度の患者も増えたという。医療サービスがグローバルビジネスとして浮上した状況で非常に鼓舞的な現象だ。しかし医療サービスが国際的競争力をもつためには越えるべき障害物が多い。何より医療事故や不満事項に対する制度的対処が不十分だ。事故が起こっても実質的に解決できる賠償システムがないのだ。外国人患者は国籍が多様で、国家間の法体系も違う。したがって医療事故に対する裁判管轄権や補償体系に明確な合意がなければ、ややもすると外交問題に飛び火することもある。国家のブランドとイメージ失墜はもちろんだ。

海外患者誘致制度もずさんだ。現在、韓国保健産業振興院に登録された海外患者医療機関は全国1430カ所、誘致機関は93だ。ところで事故に備えて責任保険に加入したり専門通訳士を確保したりしたケースは珍しいという。ただ資本金1億ウォンに保証保険さえ加入すれば登録証を発給する現行制度を補って、すでに登録された機関に対しても指導と管理監督に出る必要がある。

政府は新しい成長動力17部門に海外患者誘致を含めた。外国人患者1万人を誘致すれば700億ウォンの生産誘発効果と830の働き口が創出されるというのだ。実際にハンガリー・ショプロンは歯科病院500に5000専門医が布陣した医療観光都市として特化し、高収益をあげている。医療観光を拡大するためには制度的裏付と促進案用意が至急だ。何より先進国水準の患者の権利の保障と補償体系を揃えなければならない。医療紛争調整と感情も患者を積極的に保護する方で補わなければならない。それでこそ安心して訪ねて来るではないか。病院も遠隔診療を許容し、医療観光と連携することができるよう付帯事業範囲も拡大してグローバル競争力をもつべきだ。狭い国内医療市場でいがみ合う必要がない。

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「ヨガ教師受け入れて」/日印EPA交渉(2010/03/14 産経新聞 東京朝刊 2ページ)

日本とインド両政府が年内締結を目指して交渉を続けている経済連携協定(EPA)のうち、インド政府が「人の移動」の分野で、ヨガ教師の受け入れを日本側に求めていることがわかった。インドが、EPAにヨガ教師を含めたのは、日本が初めてとみられる。日本では若い女性を中心にヨガの人気が高いことから、EPAをてこに、新たなビジネスチャンスの可能性があると判断したようだ。

インド政府関係者によると、国内の大学や専門教育機関で約40校がヨガ学部・学科を設置。ヨガの博士課程を持つ機関もある。こうした教育機関などの卒業生がヨガ教師に該当し、その数は3万5千人に上るという。

インド側が新たにヨガ教師の受け入れを求めてきたのは昨年後半。2007年から交渉が始まった日印EPAの「人の移動」分野でインド側は、医師、歯科医、建築士、公認会計士などの受け入れを日本に求めている。この中には当初、インド伝統医学アーユルヴェーダの医師も含まれていたが、医療分野は日本国内の反発が強く、押し戻された経緯がある。このため、インド側は代わりにヨガ教師を提示。また、インド料理人と英語教師の受け入れも追加した。

日本側は、経済関係に偏りがちな日印関係のすそ野拡大にも貢献できるとみている。いずれの職種も専門性と技能性が高いことから、「単純労働」ではなく「熟練労働」として受け入れる方向で検討するとみられる。

日印EPA交渉は、インド製医薬品の日本市場へのアクセスをめぐる調整が難航するなど、予断を許さない状況が続いている。

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外国人の看護師・歯科医の就労期限撤廃へ (2010/03/15 03:08 読売新聞速報ニュース)

法務省が外国人の入国・在留管理制度について今後5年間の指針を示す「第4次出入国管理基本計画」の原案が明らかになった。

外国人の看護師と歯科医師に対する就労期間の制限見直しを打ち出し、人手不足の介護分野での外国人受け入れ促進を盛り込んだ。基本計画は今月下旬に正式決定される見通しで、同省は就労期限撤廃や新たな在留資格の設定に着手する。

現行の外国人看護師の就労年数は「7年以内」、外国人の歯科医師は「6年以内」となっており、こうした制限が来日の障害になっているとされる。また、同じ医療分野の外国人医師は2006年に、従来の「6年以内」の就労制限を医師不足解消の狙いなどから撤廃した経緯がある。同省は看護師と歯科医師についても制限をなくし、専門技術を持つ人材を幅広く受け入れるべきだと判断した。就労期限を定めた省令を年内にも改正する方針だ。

一方、介護分野は現在、日本と経済連携協定(EPA)を結んでいるインドネシアとフィリピンからに限り、看護師希望者とともに介護福祉士希望者を受け入れている。基本計画原案では「日本の大学等を卒業し、介護福祉士等の国家資格を取得した外国人の受け入れを検討する」と明記、外国人全般に対象を拡大するとした。現行の出入国管理・難民認定法では「就労を目的とする在留資格」に「介護」がないため、同省は新たな資格として「介護」を設ける入管法改正案を来年の通常国会にも提出する方針だ。

このほか、基本計画原案は、専門知識や技術を持つ外国人に研究実績などの項目ごとに点数をつけ、高得点者に在留期間延長や、永住許可に必要な在留期間短縮などの優遇措置を講じる「ポイント制」の導入を検討するとした。
◆「第4次出入国管理基本計画」原案の骨子◆
▽外国人歯科医師と看護師の就労年数制限の見直し
▽日本の大学等を卒業し、介護福祉士等の国家資格を得た外国人受け入れを検討
▽高度人材の受け入れへ、ポイント制を活用した優遇制度導入
▽不安定な形態の就労が問題の日系人は、入国・在留要件として日本語能力や生活力を考慮するよう、要件見直しを検討。

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「ビジネス・サミット」/EPA、FTA、外相、交渉加速の意向。(2010/03/15 日本経済新聞 夕刊 1ページ)

岡田克也外相は15日午前、日本経団連が主催するアジア・ビジネス・サミットの冒頭であいさつし「経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)は、この地域の経済連携を促進する有効な方法だ。政治主導で推進すべく力を入れている」と鳩山内閣でアジア域内でのEPA・FTA交渉を加速する考えを示した。

外相は「地域の人、モノ、サービス、情報の自由な移動を一層促進していくことが必要だ」とも指摘。「日本は常に視野を世界に広げ、自ら率先して国を開き、資金、技術、知恵を活用してアジアのさらなる発展に貢献する」と人的交流を含めてアジアとの連携を強化し、国内の経済成長を図ると強調した。

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看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN)2017年 1月〜11月号

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