トップページ > 看護介護全国ニュース(BERITA PERAWATAN) > 2009年10月 第106号

ヘッドライン ... このニュース記事は、EPA(経済連携協定)及び、外国人看護師・介護福祉士に関する全国ニュースをダイジェストでまとめたものです。

インドネシア人看護師受け入れ先を支援/厚労省が検討/10年度(2009/08/14 CB医療介護ニュース 3ページ)

厚生労働省は2010年度、インドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき看護師候補者を受け入れた施設による研修指導体制の整備を支援する方向で検討している。

インドネシア人看護師候補者をめぐっては、受け入れによるメリットが少ない一方、費用負担が大きいとの指摘があり、受け入れ先の確保が難しい状況だった。このため、厚労省は受け入れ先への支援が必要と判断した。

また、受け入れ後初となった今年2月の看護師国家試験では、候補者から合格者が出なかったことから、日本語研修の充実も図りたい考えだ。

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「選択の焦点」識者に聞く(1)静岡福祉大学長  加藤 一夫さん(2009/08/24 中日新聞【09総選挙 静岡ニュース】)

衆院選が問う「選択」は、政権のみならず、日本の針路にもかかわる。世界不況にさらされ、生活の現場に閉塞感が漂う中、主要政党のマニフェストだけでは社会の将来像が見えそうで見えない。今、求められる処方箋のあり方を、静岡県ゆかりの識者に聞く。

『弱者の暮らし』支援を

−主要政党のマニフェスト(政権公約)に対する印象は。

10年先を見越したビジョンが位置づけられていない。票を取ろうとばらまきの要素が出ている。後期高齢者医療制度では見直しや廃止を主張しているが、どうやって行うのか。
うちの大学は介護福祉士を養成していて、就職率は100%。だが卒業生の話を聞くとワーキングプアの世界だ。18万円ほどの初任給が働くうちに減り、深夜勤務などの労働条件もきつい。頑張っても2年ぐらいで辞めたくなると言う。
現場の人たちが夢を持てるビジョンがないといけないが、自民党も民主党もはっきり打ち出していない。お金を出せばいいってもんじゃない。

−どうしたら夢を持てる。

難しい面はあるが、施設運営の近代化を進めること。特に静岡県内は家内制企業みたいな所が多い。基準を見直せば、働きやすい環境づくりにつながる。

−福祉も国際化している。

アジアで福祉共同体がつくれないか、と考えている。外国人労働者を介護現場で受け入れることに反対しないが、労働力不足の穴埋めに終わっていいのか。フィリピンやインドネシアから来ている人は農村出身が多いが、こういう国では、家族が身内の介護を担うような日本が失った社会が残っている。そこに欧米の知識を取り入れることで、日本も主導的役割を果たしていける。

−格差の是正も問われている。

弱者を支援することが福祉国家の理念。その対象は今、子どもやお年寄りのみならず、働く世代に広がっている。非正規雇用の人たちは、自力で暮らすのがやっとの状況。結婚もできない。この現実にどう地域で対応するかが重要だ。
欧州連合(EU)の失業率は日本以上に高いが、仕事がなくても食べていける。援助するだけでなく、暮らしの構造を変えなければ。日本の食料自給率は先進国で最低レベルだが、国内で食べ物をまかなう基盤をつくれば所得が低くてもそれなりに暮らしていける。

【かとう・かずお 東大院修了。国立国会図書館調査員、静岡精華短大教授を経て現職。専門は国際社会論。大学のある焼津市の福祉施策に携わり、地域包括センター運営協議会の委員長などを務める。68歳。】

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医学生ら被爆体験に衝撃 (2009/08/20 中国新聞)

医師や看護師を目指す国内外の学生が19日、広島市安芸区の原爆特別養護ホーム「矢野おりづる園」を訪れ、入所者の被爆体験を聞いた。

日本人18人に加え、インドネシアやオランダ、ブラジルなど7カ国の10人が参加。日本人学生による通訳で、入所者5人から話を聞いた。広島駅近くにあった旧陸軍施設で被爆した様子を振り返った原田トシ子さん(90)に、参加者は「心に傷は残っていませんか」などと質問。「今でも、夢で思い出すほど苦しい」と答える原田さんの言葉にうなずいていた。

トルコから参加した医学生のシーナ・トンゲさん(21)は「初めて体験談を聞いて、言葉にならないぐらいの衝撃を受けた」と話していた。

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EPA就労の受け入れ県内1号/三島の比女性が介護の道猛勉強(2009/08/19 静岡新聞 夕刊 2ページ)

◇高い言葉の壁に現場も懸命
三島市谷田の三島社会保険介護老人保健施設「サンビューみしま」で、フィリピン出身のマリア・セレスチァル・ファルケザさん(28)が働きながら介護福祉士の勉強をしている。マリアさんは経済連携協定(EPA)に基づく外国人労働者の受け入れで来日し、県内の施設で働く唯一の外国人。3年半後の国家試験に一発合格しなければ、帰国しなければならない。5月末の来日から2カ月余り、職場の日本人職員の助けを借りながら猛勉強の日々を送る。

午後3時すぎ、おやつを食べた女性利用者の輪の中にマリアさんはいた。お年寄りたちは「マリアさん」と気さくに話し掛け、テレビの話題で盛り上がる。指導役の主任介護支援専門員小田明弘さん(31)は「利用者や家族が受け入れてくれるか不安があったが、すんなりとなじんでくれた」と評価する。

11人の大家族で育ったマリアさんは、母国の大学で生物学を修めた。日本語能力認定3級を持つため、言葉や習慣を学ぶ半年間の研修は免除された。6月初旬、他の就労予定者より一足早く現場に出た。日本人職員と同じ給与水準で働く。排せつや入浴介助など業務の多くを小田さんが付ききりで指導する。終業時には約1時間かけて日本語で日誌を書く。帰宅後は最低2時間は勉強するという。平仮名の読み書きと日常会話はこなすが、漢字の習得や介護用語の理解はこれから。国家試験の合格率は約50%で、言葉のハンディがある外国人にとっては、さらにハードルが高い。

同施設ではリハビリ、事務など各部門でマリアさんの支援者を決め、独自の教材も用意した。小田さんは「このやり方で合格できるのか手探りの状態」と話し、受け入れ施設同士の情報交換の場や教育面の公的支援の必要性を訴える。

同施設顧問の平賀聖悟県病院協会名誉会長は「ぜひ外国人介護職のパイオニアになってもらいたい」と期待を寄せる一方、「(現行制度は)条件が厳し過ぎる」と指摘した。

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台湾の介護事情/乏しく高い在宅サービス/外国人住み込み型が主流(2009/08/21 シルバー新報)

(台湾の)在宅介護の特徴と言えるのは、公的補助のある介護サービス供給の不足と、外国人労働者が不可欠のものとなっている現状だ。2008年末の要介護高齢者は推計約25万人。しかし、在宅介護の主力となる訪問介護サービスの供給量は年間累積2万5千人程度に過ぎない。家族だけでは介護が出来ない場合、個人契約で外国人労働者を住み込ませる形で雇い、在宅介護を維持しているというのが一般的だ。同時点で外国人介護労働者を雇用する家庭は約16万世帯にも上っている。

日本とは違った形で進んできた台湾の介護だが、その理由には在宅介護サービスの基盤整備の遅れがある。一般所得層への行政的な補助がようやくスタートした段階。サービス量についても、日本のデイに当たるサービスは08年末現在、25地方自治体のうち11自治体では未整備。供給量も年間累計で3千人程度と要介護高齢者数と比べるとその資源の乏しさが分かっていただけるだろう。 また、一般家庭にとって施設への入所も”高嶺の花”だ。一般所得者層の施設入所の費用は行政補助の対象外で、市町村の物価水準、職員配置の手厚さ、施設の種類などで異なるが、毎月3〜6万元と言われている。これは最低賃金の2〜3倍(1万7280元:08年)に相当する額で、経済的負担は軽くない。もちろん、家族介護が美徳とされてきた道徳観の影響もあるが、ほとんどの一般所得者層は在宅介護を選択せざるを得ない現実がある。このように行政の支援策が期待出来ない中、家族介護への期待は大きかった。

しかし、その家庭の介護力も高度経済成長期に突入した90年代以降、女性の労働市場の参入促進策に伴い、流失の一途をたどっている。それを補う目的で導入されたのが外国人介護労働力だ。外国人介護労働者の就労が初めて認められたのは、高度経済成長期の真只中の1992年。当初はわずか300人程度だったが、その後も家族扶養機能の低下を補うかのように、右肩上がりで増え続けて来た。在宅ヘルパー数で見ると、なんと外国人労働者が「約9割」を占めている。

もちろん台湾でも当初は、他の国と同じように外国人介護労働者の受け入れに対して否定的な意見は多かった。「見知らぬ他人、しかも言葉もままならない外国人を自宅に住まわせ、介護を任せていいのか」、「台湾文化を知らない外国人に心のこもった介護が出来るのか」という不安の声や、「台湾人の就職チャンスを奪うのではないか」という懸念の声もあった。

しかし、介護と生活の両立の切実な悩みを抱える一般家庭の選択は正直なものだった。決め手となっているのはやはり「費用」だ。台湾の在宅介護の中心は外国人の24時間の住み込み型の介護形態になるが、その雇用相場を見てみると、台湾人介護職員月額6万元に対して、外国人介護労働者は給与基準額月額3〜3・5万元があるものの、現状は2〜2・5万元が相場とされている。外国人労働者を活用すれば、施設入所よりも安価に24時間の介護をカバーすることが出来る。「世間体」の概念がいまだ強い台湾にあって、言葉が余り通じない点も逆に家庭内の事情が他人に漏れる心配がなく好都合、という隠れたメリットがある。

実際に提供されている介護の内容は、高い介護技術の提供よりもむしろ高齢者の見守り役と言える。簡単な食事や排泄などの日常生活の支援を行い、緊急時には連絡を受けた家族が病院等の関連機関に支援や救助を求める体制をとっていることが多い。就労に際して外国人介護労働者は渡台前に母国で90時間の訪問介護員研修プログラムを受けるだけでよく、高い専門技能は就労の最優先条件として問われていない。3年ごとに一度出国して再入国すれば、最長9年間の介護就労が可能となっている。そもそも台湾と日本では介護に対する本質的な捉え方が全く異なり、厳格な基準に基づく介護技能や専門知識が台湾では求められない。日本の訪問介護員2級と3級の間に準じる資格として50時間の講義と40時間の実技・実習を受けて指定研修機関の試験に合格すれば修了証が発行されるシステムが導入された他、全国統一試験で取得する「照顧服務員丙級技術士」が新たに介護職勤務条件として義務化する方向で検討が進められているが、これは台湾人ヘルパーに限った資格制度。個人契約者の場合は違法な長時間労働を強要しながらも安価に活用出来ている外国人労働者を好む傾向が強いのが現状だ。また、外国人介護労働者と並んで39万人の外国人花嫁が家族介護において果たした役割も大きい。限られた介護財源の中でいかにして外国人介護労働者の資源を創設予定の介護保険制度に盛り込んでいくか、そして、介護の質をいかにして高めていくかが今後の台湾政府の課題と言える。

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定着へなお課題(2009/08/24 日経産業新聞 1ページ)

福祉や医療の現場で外国人が働くケースが増えている。厚生労働省の外国人雇用状況によると、2008年10月末時点で福祉・医療分野で働く外国人は2846人。統計制度が07年に変わったため単純比較はできないが、5年前の2.3倍強に増えている。ただ実際に働く現場では課題もあるようだ。労働政策研究・研修機構が外国人ヘルパーに就業上の問題点を聞くと「講習で学んだ知識が生かされない」が1位。「方言がわかりづらい」「わがままへの対応の仕方を教えてほしい」など実践的なノウハウを求める声が多かった。定着に向けては実習に時間をかけるとともに、継続的なフォローアップが欠かせないようだ。

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漢字習得/広がる支援/インドネシア人看護・介護研修生/交流や勉強会 (2009/08/27 大阪読売新聞 夕刊 11ページ)

◆民間グループ
インドネシアとの経済連携協定に基づき、同国から来日した看護師・介護士研修生の日本語習得を支援する動きが広がっている。研修生が日本で働き続けるには、在留期間内に国家試験に合格する必要があるが、日本語が大きな壁になっていることが背景にある。受け入れが始まって1年、厚生労働省も改善策を探ろうと調査を始めた。

兵庫県川西市のベリタス病院。看護助手として研修中のロシアニーさん(35)とソフィヤデーさん(32)に、インドネシア語を交えて指導にあたるのは、元大阪府吹田市職員の杉原貞二郎さん(58)。関西インドネシア友好協会の会長を務める杉原さんは、協会のメンバー2人とともに3月から週3回、勉強会を開いて漢字の読み方などを教える。

2人は半年間の日本語研修を経て1月に同病院へ来た。日常会話はこなせるようになったが、読解は苦手で、1月に受けた国家試験は不合格だった。試験問題は日本人と同じ。ロシアニーさんは「問題がよく理解できなかった。特に漢字が難しい」と漏らす。

研修生の試験対策は受け入れ側の病院や施設任せになっているのが実情。同病院も「(同協会の支援を受ける前は)看護師が教えてきたが、指導方法がわからず困っていた」と明かす。

こうした状況を受け、支援は活発化してきた。東京を拠点に、全国の医療、大学関係者ら約200人でつくる支援グループ「ガルーダ・サポーターズ」が6月に発足。甲南女子大(神戸市)は、インドネシア語を専攻する女子学生20人が「同じ世代として悩みを分かち合えたら」とNGOを設立し、近畿の施設を訪れる活動を始めた。11月には、「支援者同士のネットワークをつくろう」と、杉原さんら関西で活動するボランティア約20人が大阪で集う。呼びかけ人の一人で、ガルーダ・サポーターズ共同代表の益(えき)加代子・神戸市看護大助教は、「『日本に来て良かった』と思ってもらえるよう、受け入れ態勢の改善を促していきたい」と話す。集いでは研修生との交流会や、病院・施設向けの日本語指導法の講習会も同時開催する予定だ。

◆国家試験、合格ゼロ 厚労省が改善検討
厚生労働省によると、今年1月の看護師試験では、受験したインドネシア人研修生82人全員が不合格だった。漢字の読解力不足が大きな要因とみられる。

ガルーダ・サポーターズが受け入れ施設計100か所に対し日本語学習状況についてアンケートしたところ、33施設が回答。学習頻度は1週間に5回の施設が33%あったが、2回21%、1回18%と、ばらつきがあった。研修生から、「看護部長が代わったら学習指導をしてもらえなくなった」との訴えもあったという。

厚労省は、日本語学習状況などを把握するため、外郭団体の国際厚生事業団に委託し、4月から全施設の聞き取り調査を始めた。担当者は「一人でも多く合格できるよう、改善すべき点を検討したい」とする。

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外国人の介護職員を県が受け入れ支援へ/教材やシステム開発(2009/09/02 静岡新聞 夕刊 1ページ)

県は2日までに、介護保険施設が外国人を介護職員として受け入れるための環境整備支援に乗り出す方針を固めた。EPA(経済連携協定)に基づく外国人の介護福祉士候補の受け入れなどに伴い、県内の施設で働く外国人の増加が見込まれるためで、県長寿政策局は「全国初の取り組みでは」としている。

施設が外国人を円滑に雇えるように、日本語教育の手法や職場研修の進め方などを示したマニュアルを作成する。外国人が英語か日本語の例文を選択して介護記録を残せるシステムの開発や、英語に翻訳した介護福祉士試験の入門書作成などを進めるという。

大半の施設は外国人の受け入れに戸惑っている状態。一方、外国人にとっては介護記録の日本語作成が困難で、職員間の引き継ぎに支障が出ているという。

県内の介護保険施設では在日外国人計約30人が勤務するほか、EPAで来日した13人が働く予定になっているという。同局は「県内の介護職員の求人倍率は約1・5倍と高く、10年後は介護職員が現在の約2倍に当たる3万〜4万人が必要といわれている。在日外国人の失業者対策にもつながる」としている。

国の障害福祉推進基金の福祉・介護人材確保分を活用した県の障害福祉推進基金を使い、9月補正予算案に関連事業費3400万円を計上する予定。

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【論風】コマツ相談役・萩原敏孝/アジアからの医療従事者候補(2009/09/03 FujiSankei Business i.24ページ)

■政府主導で受け入れ支援を
昨年よりわが国はインドネシア、フィリピンからの看護師、介護士候補生の受け入れを開始した。両国との経済連携協定(EPA)により、当初2年間で看護師、介護士を合わせ、それぞれの国から1000名を上限として受け入れを決めたものである。既にインドネシアから看護師候補生104名、介護士候補生104名、フィリピンから看護師候補生83名、介護士候補生190名が第1陣として派遣され一部は語学研修、一部は既に医療現場で就労している。

◆厚労省も就労先も消極的
問題は、候補生あるいは今後派遣されて来日する人たちが長期にわたって日本に定着できるか、ということである。候補生には医療補助者として働きながら、看護師は3年以内、介護士については4年以内に日本語による国家試験に合格しなければ本国に帰されるという厳しいハードルが待っている。ハードルの第2は、日本側の受け入れ体制である。今回の派遣受け入れに関するEPA締結の経緯をみると、残念ながら、国民的合意を背景として前向きに実施されたものとは言い難い。厚生労働省は「先方からの強い要請に基づき門戸を一部開放したもので、日本側から要望したものではない」という姿勢のようであり、彼らの就労先ともいうべき医療労働組合連合会は「国が責任をもって医療福祉人材を養成し、国内の看護師、介護士の増員を優先すべきで、安易に外国人労働者に頼るべきではない」と、必ずしも歓迎しているわけではない。

派遣受け入れが「安易に外国人労働者に頼る」発想で実施されたものとは考えたくないが、熱烈歓迎ムードの中にはない。しかし、EPA締結に至る日本側の事情は、これら候補生にとっては責任外のことである。国際協定に基づき既に実行に移されている以上、彼らを温かく迎え、日本の医療現場で一日も早く戦力となって活躍してもらえるよう全面的に支援すべきである。急速に進む人口減少の中で、日本がアジアとの相互補完・共栄を図ろうとするなら、今回の受け入れに伴う国内の障害克服はまさにその試金石であり、アジア重視を掲げる日本の本気度と将来のわが国のあり方が問われている。

ハードルの第3は、日本の医療現場における看護師、介護士の労働環境である。医師や介護士の事情もほぼ同様と思われるが、看護師を例にとってもその就労現場の状況は大変厳しい。現在就労している看護師は准看護師を含めると約126万人、絶対的不足数は4万人を超えるといわれている。新規免許取得者と再就労者による補充も慢性的かつ絶対的な看護師不足を補完するに至っていない。絶対的な数の不足が、時間外勤務、夜勤などの増加となって就労者の負荷を増加させている。厳しすぎる就労状況を理由に「続けたいけど続けられない」として離職する看護師も少なくないという。

◆環境整備も急務
日本看護師協会の調査によれば、月60時間を超える時間外勤務を行っている看護師は全国で約2万人に上るとされる。候補生が厳しい就労環境を理由に短期間で帰国するようなことでは、何のための派遣受け入れか、制度そのものの存続が危惧(きぐ)される。関係者のきめ細やかなケアが必要だ。

ともあれ、問題の本質は絶対的な人員不足であり、その補完なしでは根本的な問題解決につながらない。日本人であると外国人であるとを問わず、一人でも多くの人たちが将来に希望をもってこの職域に参入してもらえるような新たな発想に基づく環境整備が急務である。今回の看護師、介護士受け入れが、わが国の医療現場改善の起爆剤となるよう政府はその対応を現場任せにせず、自ら責任をもって主導的な役割を果たすべきである。派遣元であるそれぞれの国は、今回の候補生たちの日本での帰趨(きすう)を重大な関心をもって見守っている。

【プロフィル】萩原敏孝 はぎわら・としたか 早大大学院法学研究科修了。1969年小松製作所(現コマツ)入社。取締役、常務、専務、副社長を経て、2003年会長、07年6月から現職。現在、経済同友会副代表幹事ならびにアジア委員会委員長。68歳。東京都出身。

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日比EPA/介護士候補/大幅定員割れ/「経済的負担大きい」/フィリピンで壮行会 (2009/09/19 毎日新聞 朝刊 22ページ)

日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)に基づき、日本の専門学校などに通い介護士の資格取得を目指す候補者の壮行会が18日、マニラ首都圏ケソン市で行われた。

候補者は定員の50人を下回る30人で、27日にも日本へ向かう。半年間、語学研修を受けた後、介護士養成学校で2〜4年学ぶ。卒業と同時に現場で働くことができる。

比側によると、104人の応募があったが、辞退者が相次いだ。候補者は1日4時間のアルバイトを認められているが、年間約100万円の授業料と生活費を負担しなければならない。担当者は「定員を下回ったのは、経済的負担が大きいため」と説明した。

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